本人コメント
「信じられないような、最高な結果だよ。
前半の30分は計画していたよりも少しペースが早まってしまったんだけど、快調に走れていた感覚だった。
後半戦の30分は、毎周回を16.0秒で走らなければいけない計算だったんだけど、前半の30分では1周を16.0秒以内で走ったことが1度もなかったから少し不安な気持ちもあったよ。
毎周回を走り切るまで、その周回のタイムはわからないし不安になる。ペースを維持できていても、まだ走り切るべき距離は残っているし。半分を終えた時点で『残りの30分、どうすれば毎周16.0秒以内で走り続けることができるんだ?』って考えたら頭がグラグラしたよ。
自分の頭の中では55.5km以上を走り切りたいと思っていたから、最終的にその目標を46m超える結果が出せて、本当に嬉しいよ」
UCIリリース「Daniel Bigham breaks the UCI Hour Record timed by Tissot」
使用したバイクは?
選手の能力はもちろんだが、選手が使用する機材も重要な役割を果たすトラック競技。
機材によって生じる差が1周につきコンマ何秒だったとしても、1時間を走り切るアワーレコードでは、なおさら見落とすことのできない側面となるだろう。
そんなUCIアワーレコードへの挑戦で、今回ダニエルビッガムはどんなバイクを使用したのだろうか。
2021年にダニエル・ビッガムがアワーレコードに挑戦しイギリス記録を更新した際、使用されたバイクは「ARGON 18」製のバイク。また、イギリスと言えば東京2020オリンピック・トラック競技で同国のメダル量産に貢献した「Lotus/HOPE HB.T」のバイクが印象的だ。
しかし、今回のUCIアワーレコードへの挑戦では「ピナレロ(Pinarello)」製のバイクが使用された。
@DanBiggles22 is putting the finishing touches to his preparation⏱
Watch Dan take on the @UCI_cycling Hour Record timed by Tissot live on our Facebook and YouTube channels from 13.25 BST tomorrow.
Go on Dan! pic.twitter.com/2v1q1gw6yx
— INEOS Grenadiers (@INEOSGrenadiers) August 18, 2022
ダニエル・ビッガムは、自転車競技選手としてロード・トラック競技で活躍する傍ら、UCIワールドチームの「INEOS Grenadiers」にて、”パフォーマンス・エンジニア“という役職のスタッフとして活動する一面も持ち合わせている。
今回の挑戦は、自身がスタッフとして所属するINEOS Grenadiersによる全面的なサポートを受けての実施となったため、本チームが使用する「ピナレロ」製のバイクが使用された。
「機材だけじゃない」イネオスのサポートについて
アワーレコードの記録更新後、ダニエル・ビッガムはINEOS Grenadiersとの協働について以下のように語っている。
「本当に最高な気分だよ。今まで計測した1時間よりさらに良いペースで走ることができた。挑戦を楽しめたし、成し遂げられたことにすごく驚いているよ。
挑戦するにあたり僕たちは、基本となる3つのことに集中して取り組んできた。それは、ライン取り、呼吸、そして頭の位置。この3つは自分でコントロール可能なことだから、あとはどれだけ限界までペダルを踏めるかが重要だよ。
前回の挑戦と違うのは、とてつもない程のサポートをINEOS Grenadiersから受けることができたこと。それは機材的な支援だけでなく、生理学的そして栄養学的な観点や、トレーニング方法に関しても協力してくれた。彼らは日々向上していて、僕へのサポートは何にも引けを取らないレベルだったと思う。
彼らのおかげで何一つ不自由なく準備することができて、残された仕事は僕がここに来て、走るだけだった」
INEOS Grenadiersリリース「Dan Bigham has set a new UCI Hour Record」