競技を合同開催 史上2回目の複合大会
『2022 UECトラックヨーロッパ選手権』は例年と異なり、全9競技が同時開催される『ヨーロッパ選手権大会 ミュンヘン 2022』の一部として実施される。
『ヨーロッパ選手権大会 ミュンヘン 2022(以下ミュンヘン2022)』では、ロード・ MTB・BMXなどのその他の自転車競技に加え、陸上や体操などの様々な競技のヨーロッパ選手権が、同日程・同会場で開催される。ヨーロッパのオリンピックのような大会なのだ。
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— Munich2022 (@ECMunich2022) July 2, 2022
大規模な大会だが、この合同開催となるのは2018年ぶりの2回目。個々の競技それぞれの大会は歴史のあるものが多いが、本大会に限っては新たな試みとも言えるだろう。
既存の競技場を使用、トラック競技は例外
「ミュンヘン2022」の開催趣旨の1つには環境への配慮も含まれている。1972年に開催されたミュンヘンオリンピックのメイン会場となったオリンピックパークや歴史ある競技場を使用することで、新たな建設コストや環境的な負担を低減する狙いがあるそうだ。
しかし、トラック競技を行うベロドロームはミュンヘンには存在しない。そこでメイン会場近くにある「Messe München」という大展示場の1ホール内に、仮設ベロドロームが建設された。
しかし、建てられたのは1周200mのトラック。
展示場の面積の影響で、通常1周250mの国際規格のベロドロームに比べ一回り小さいトラックとなった。
様々な周長が存在する日本の競輪場のように、サイズが異なれば戦略や選手との相性に差が生じることもある。実際に、男子短距離のスター選手のハリー・ラブレイセン(オランダ)は200mトラックでの開催を受け、自身のSNSで以下のように発表している。
「『2022 UECトラックヨーロッパ選手権』への出場に向け、私たちは来週『ミュンヘン2022』に出発します。
世界選手権への準備も考慮し、200mトラックでの競走が相応しくないと考え、今回は残念ながら個人種目へは出場しません。
ですが短いトラックで実施され、スリルのある展開が予想されるチームスプリントへの出場は、一緒に走るロイ・バンデンバーグやジェフリー・ホーフラントとともに楽しみにしています」
同じく男子短距離を牽引するジェフリー・ホーフラントらも、個人種目への出場を今大会では見送っているそうだ。
やはりトラックのサイズがもたらす選手への影響は少なからずあるようだ。
参照:大会公式サイト「Inside Munich 2022 / About us」
ベロドロームはこうして建てられていた
「ミュンヘン2022」のために仮設された200mトラック。
大会公式のYoutubeチャンネルでは、本トラックが建設される様子を紹介している。
普段見ることのない板張りトラックの内部構造や建設方法が見られる貴重な映像だ。
伊豆ベロドロームなど日本の板張りベロドロームに行く際にも、より興味を持てるようになるかもしれない。
大会の情報とともにぜひウォッチしていただきたい。