2022年4月から5月にかけて開催された『UCIネーションズカップ2022』の第1・2戦。トラック2022年シーズンの幕開けを告げる本大会では、世界最高峰の選手たちが集うなか、日本人選手も出場し複数のメダルを獲得した。
しかし選手たちにとって、このネーションズカップでの活躍は必ずしも最終目標ではない。選手たちが目指す、より大きな目標は「世界選手権・オリンピック」への出場だ。
そこで本記事では、ネーションズカップ計2大会を終えた2022年6月1日現在、日本人選手による『2022世界選手権トラック』の出場権獲得の可能性について探っていく。
2022年の世界選手権は10月12日〜16日に、フランス・サン=カンタン=アン=イヴリーヌにて開催予定。ネーションズカップの第3戦やアジア選手権、国内選手権なども今後まだ控えている中、開幕まで残り約4ヶ月に迫っている。UCIランキングなどの観点から、本大会出場に向けた日本人選手の”現在地”をご説明していく。
出場条件は少し複雑…
まず、「どうすれば出場できるのか…」という疑問。世界選手権への出場条件は少し複雑になっている。ネーションズカップや大陸選手権などよりも、さらに上に君臨する大会だからだろう。
出場可能な最大人数や、出場枠の分配方法が種目によって違っていたり、各チャンピオンに与えられる特別枠の内容も種目によってそれぞれ。
本記事では、日本チームによる出場権獲得の可能性について主に解説していくため、世界選手権への出場条件をまだ詳しくご存知ではない方は、以下記事で一緒にご確認いただきたい。
種目別、日本チームの”現在地”をざっとご紹介!
短距離・男子(2人まで出場可能)
種目 | 出場枠獲得圏内 | アジア選手権次第 |
スプリント | 山﨑賢人 | 小原佑太 寺崎浩平 |
ケイリン | 山﨑賢人 | 松井宏佑 |
1kmTT | 小原佑太 | 新山響平 |
短距離・女子(2人まで出場可能)
種目 | 出場枠獲得圏内 | アジア選手権次第 |
スプリント | 太田りゆ | 小林優香 佐藤水菜 梅川風子 |
ケイリン | 佐藤水菜 小林優香 |
太田りゆ |
500mTT | 全4選手 |
中長距離・男子(個人パシュート2人・その他1人まで出場可能)
種目 | 国別枠 | 出場枠獲得圏内 | アジア選手権次第 |
個人パシュート | – | 今村駿介 | その他選手 |
オムニアム | ランク外 | 橋本英也 今村駿介 窪木一茂 |
|
スクラッチ | 窪木一茂 | ||
エリミネーション | 窪木一茂 橋本英也 |
||
ポイントレース | 全選手 |
中長距離・女子(個人パシュート2人・その他1人まで出場可能)
種目 | 国別枠 | 出場枠獲得圏内 | アジア選手権次第 |
個人パシュート | – | 古山稀絵 | |
オムニアム | ランクイン | 梶原悠未 | 古山稀絵 内野艶和 |
スクラッチ | ランク外 | 梶原悠未 | 古山稀絵 内野艶和 |
エリミネーション | ランクイン | 梶原悠未 | 古山稀絵 内野艶和 |
ポイントレース | ランク外 | 全3選手 |
マディソン(上位18位の国から1組まで出場可能)
男子:出場枠獲得圏外
国別ランキング:24位(ロシア・ベラルーシを除くと22位)
女子:出場枠獲得圏内
国別ランキング:20位(ロシア・ベラルーシを除くと18位)
※各種目で「アジア選手権次第」の欄で紹介している選手には、6月1日に発表された「アジア選手権トラック2022」の派遣選手団に選出されていない選手も含んでいる。
では各種目で、具体的にどの選手がどんな状況なのか順番に見ていこう。