1回戦 日本人対決 小林vs梅川
1回戦、2回戦までは1本勝負となる。太田、佐藤が順当に勝ち進んだが、1回戦ではいきなり小林対梅川の日本人対決が実現してしまった。
前に梅川、後ろに小林で最後の1周へ入ると外からじわじわと小林が追い上げて、最終ストレートで梅川をかわして先着。2回戦進出を決めた。
2回戦
大逃げの佐藤
2回戦は佐藤が地元のエース、ケルシー・ミシェル(カナダ)と対戦。スタートすると半周を過ぎて一気に加速し、大逃げを見せる佐藤。
一時はその差が開いていくが、残り2周から最終周回へとフィニッシュに近づくにつれて差を詰めてくるミシェル。最終コーナー前に佐藤を捕らえたミシェルが先着し、準々決勝へと駒を進めた。
小林は僅差の写真判定
小林は2021世界選手権ケイリンチャンピオンのリー ソフィー・フリードリッヒ(ドイツ)との対戦。2人は似た脚質を持っており、ロングスパートに長けた者同士の対決となった。
前にフリードリッヒ、後ろに小林の位置でレースは速いテンポで進んでいく。残り1周となり、両者がフル加速すると外から小林が並びかけていく。
最終ストレートでは両者がほぼ横並びとなり、フィニッシュラインへ。肉眼ではほぼ同時のフィニッシュとなったため、勝ち上がりは写真判定となった。
しかし判定の結果、フリードリッヒが勝利。小林は強敵を追い詰めるも準々決勝進出を逃すことになった。
金メダリスト撃破の太田
太田は東京オリンピックのチームスプリント金メダリストの一角、バオ・シャンジュー(鮑珊菊)と対戦。
前に太田、後ろにバオでレースはスタート。後ろで活発に動きを見せるバオに対し、太田は隙を見せずにじっと凝視しながら、時にはプレッシャーをかけつつ両者はスピードを上げていく。
勝負は終盤、残り1周となるところで太田がフル加速していくとバオもスプリント体制に入る。しかしスピードに乗った太田はバオに並びかけることを許さずに、最終コーナーを抜けて1車身ほどリードして先着フィニッシュ。
東京オリンピックの金メダリストを破る大金星を挙げて準々決勝進出を果たした。
準々決勝 3本目までもつれる混戦
太田の対戦相手は東京オリンピックでケイリン銅メダリストのローリン・ジェネスト(カナダ)。ジェネストの予選タイムは10秒600と太田を大きく上回るタイムを持つ相手となった。
準々決勝からは2本先取で勝ち上がっていく。
1本目。ジェネストが前、太田が後ろとなってレースが進んでいく。大きな展開があったのは残り1周半を切ってから。
太田が勢いよく前に出るとジェネストとの差が一時的に開き、そこから太田が全開でペダルを踏みこんでいく。
残り半周を切っても先頭の太田、そして後ろからは勢いをつけてジェネストが上がってくる。最終コーナーで並びかけられるが、最後まで粘った太田が先着し1本目を得た。
2本目は太田が前、ジェネストが後ろのレースとなったが、今度はジェネストが残り1周半で太田の内側から一気加速し、逃げ切った。勝負は3本目で決まることになった。
3本目。半周を過ぎると前にジェネスト、後ろに太田となり、太田はバンク上部に位置しながら仕掛時を待つ。
残り1周半を切ったところでバンクの傾斜を利用して駆け降りていく太田。最終周回に入り並びかけたと思ったが、前に出ることは出来ずに、一旦ジェネストの後ろに位置を取る。
しかしそこから力尽きたように失速してしまい、3本目はジェネストが得て、準決勝へと進出した。