どう戦う?チームスプリント
Q:ネーションズカップ第1戦はご覧になりましたか?
はい。主にチームスプリントを見ていましたが、出場チームも多く、1カ国から2チーム出ていることもありました。強い国は、強い選手の「替え」もいるのだと思いました。
日本でいうと1走は僕しかいないし、現状2走が出来るのは小原(佑太)だけ。もし僕たちに怪我があった時、チームスプリントとして機能することができなくなります。そういった現状に危機感を覚えました。
タイム面では、世代交代があってもきっちりタイムを出していました。特にオーストラリアの第1走は速かったです。オランダは、おそらくオフ明けか何かで万全な状態ではないにせよ、それでも3位に入ってきました。世界選手権に向けて調整して、また世界チャンピオンを狙っていくのだと思います。
そういった光景が正直イメージできてしまうし、僕たちとしては「ヤバいな」と思っています。これまでにやってきた練習のタイムだと、予選を通過するかしないかのレベルです。あくまで「練習の雰囲気」の中でのタイムなので、本番では変わる可能性もありますが、危機感があります。
それでも成長の手応えはある
危機感はあるのですが、今日(インタビューは4月末に実施)の練習はすごく良かったんです。チームとしてかなり仕上がってきていて、あくまで今日のタイムで考えればですが、3位4位くらいは狙えそうなところではあります。
パリに向けてメダルを狙う位置に持っていくことができる、その期待を今日の練習で持つことができました。
今回のネーションズカップは結果がどうなるのか分かりません。でも全力を出していくことがチームとしても大事だし、僕個人としては1走としての日本記録を更新することを狙っていきます。
一番の課題は最初の60mです。そこで後ろの選手たちが離れてしまうし、ついて行くのことに大きな力を使ってしまいます。強いチームは余力を残し、体力の残った状態で2周目に入っています。これが現状の日本チームの課題だと思います。
仮にそこがクリアできても、1回戦、順位決定戦を同じように走るだけの体力面も課題になってきます。肉体的にも精神的にもかなり消耗しますから、自分を含め、チームのメンバーがどれだけ耐えられるかになってきます。