2022年春、新たなトラックシーズンがスタート。自転車トラック競技ナショナルチームの中長距離メンバーは、4月15日よりベルギーで開催されるC1クラスの大会「ベルギー国際トラックミーティング」よりシーズンインとなる。

そんな中長距離メンバーのひとり、窪木一茂にインタビュー。リオデジャネイロオリンピック出場の経歴を持ち、チームブリヂストンサイクリング所属、そして競輪選手としても活動している窪木。「チーム最年長」の口から語られる競輪に携わっているからこその強みとは?

2022シーズン主要大会一覧

4月15日〜17日 国際トラックミーティング ベルギー・ゲント
4月21日〜24日 UCIトラックネーションズカップ第1戦 イギリス・グラスゴー
5月12日〜15日 UCIトラックネーションズカップ第2戦 カナダ・ミルトン
6月18日〜22日 アジア自転車競技選手権大会トラック インド・ニューデリー
7月7日〜10日 UCIトラックネーションズカップ第3戦 コロンビア・カリ
7月28日〜31日 ジャパントラックカップⅠ/Ⅱ 伊豆ベロドローム
8月26日〜29日 全日本選手権トラック 伊豆ベロドローム
9月13日〜16日 第20回アジア大会トラック 中国・杭州
10月12日〜16日 UCI世界選手権大会トラック フランス・サン=カンタン=アン=イヴリーヌ

ロードの実力が必ずしも反映されるわけではない

Men's Scratch Race / 2021 Track Cycling World Championships, Roubaix,KUBOKI Kazushige(JPN)窪木一茂

Q:遂に海外遠征が始まりますね!

今回のネーションズカップもベルギーも「結果次第で次がある」と言われています。落とせない大会ですね。

Q:一番気合が入っている種目はどれでしょう?

ベルギーでのオムニアム、そしてマディソン。この2種目には力を入れています。

世界選手権並みのレベルだと思いますし、久しぶりにレベルの高い場所でオムニアムを走るので、結果を残せれば自信も付くし、凄く重要です。身体も養成所(日本競輪選手養成所)に入所前の状態に近づいてきて、でもスピードは前よりもあるし、コンディションも上がってきている。力がどこまで通用するかワクワクしています。

Q:他の国の選手たちも同じ気持ちだと思います。

負けられませんね!出てくるメンバーが欧州のロードで戦っている選手たちなので、持久力が凄いとは思います。

結局、ワールドツアーで走っている選手たちがトラックでも強いというのが最近の中長距離ですが、物怖じせずに臨みたいです。トラックレースはロードの実力が必ずしも反映されるわけではないので、自分たちは“トラック専門”という強みをもって走れば、表彰台も見えてくると思っています。

Q:その強みとは、トラック上での経験という意味でしょうか?

全体的なスピードですね。加速力とトップスピードでしょうか。僕は養成所でもスピードを磨いてきたし、今のタイムも良いです。去年の世界選手権よりも強くなっている自信はあります。

Bチームのハングリーな雰囲気が伝播

Men's Scratch Race / 2021 Track Cycling World Championships, Roubaix,KUBOKI Kazushige(JPN)窪木一茂

Q:チームの雰囲気はどうでしょう?

良いと思います。僕は「次のオリンピックこそは!」という気持ちもありますし、今村(駿介)選手が調子をキープしているので、周囲も負けたくないといった雰囲気になってきています。アカデミー(Bチーム)の子の中にはポディウム(Aチーム)に近いパフォーマンスを出せる選手もいるので、全体的な底上げにもなっています。

ここ数年の中でも充実したチームになっているような気がしますよ。アカデミーの選手たちがハングリーであるが故に、その気持ちがポディウムに移っているように見えます。自分も含め、雰囲気は良いと思います。

Q:そのような良い雰囲気になったのはいつ頃からでしょうか?

2月位からだと思います。クレイグ(・グリフィン)コーチのプログラムでアカデミーの選手たちが強くなってきていることもあると思いますが、「負けず嫌いな集団」だからでしょう。この競技で生計を立てなければならない人が多いので、その部分でもハングリーさが出ていると思います。

Q:沖縄からコメントがかなり変わりましたね(笑)

また変わると思います(笑)

手探りで戦ったチャンピオンズリーグ 窪木一茂インタビュー

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