「アルカンシェル」ってどんな意味?

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アルカンシェルの発祥

Women's Sprint / TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP I, Minsk, Beralus

各競技・種目・カテゴリーで1人しか着用することができない世界一の証「アルカンシェル」。

このアルカンシェルの誕生は、現在から約100年前の1927年まで遡る。

1893年に第1回大会が開催された自転車競技世界選手権。しかし当初は自転車競技場で行うトラック競技だった。その後、「UCIロード世界選手権」の第1回アマチュア大会がコペンハーゲンにて開催。そして初のプロ選手による大会が1927年にドイツのニュルブルクリンク・サーキットにて開催された。

【1/5】トラック競技の起源は150年前/トラックUCI世界選手権・オリンピック史を振り返る

そして本初開催に際し、UCIは優勝者に授与する「青・赤・黒・黄・緑」のボーダー柄の「レインボージャージ」をデザイン。

この5色線は、近代オリンピックのシンボルとなっていた”五輪マーク”にならい、各5大陸を表したものだ。

参考:The history and the records of road’s rainbow jersey(UCI)

※1913年につくられた「オリンピックシンボル」の5色は、当時の全世界の国旗に使われていた色が、この5色だったことに由来している。
参考:Olympic.com

プロ初開催の初代世界チャンピオンに輝いたのは、イタリアのアルフレッド・ビンダ氏。

アップダウンも含まれる1周22.8kmのニュルブルクリンク・サーキットを8周する182.4kmのレースで、雨天の中、平均時速27.55kmを記録し6:37:29でフィニッシュした。

そしてそれから約30年後の1958年、初の「女子 UCIロード世界選手権」がフランスのランスにて開催。初代世界女王となったのは、ルクセンブルクのエルシー・ジェイコブ氏。ジェイコブはアワーレコードにも挑戦しており、その後14年間も破られることのなかった記録41.347kmを記録した、まさにレジェンド選手だ。

この2人の初優勝を記念したロードレース、「Trofeo Alfredo Binda」(ウィメンズワールドツアー)、「Ceratizit Festival Elsy Jacobs」(ウィメンズプロツアー)は2022年現在でも開催されている。

参照:UCI 「The history and the records of road’s rainbow jersey」

歴代チャンピオンが語る「アルカンシェル」への思い

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