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新型コロナに振り回されたシーズン

Q:新型コロナの影響や、今シーズンを振り返っていかがでしょうか。

3月にヨーロッパでのロックダウンが行われた時は「そんなに長い間規制されることはないだろう」と思ってタイに向かいましたが、結局4ヶ月以上タイで過ごすことになりました。タイでは夜間の外出禁止はあったんですが、日中の外出禁止がなかったので、日常の練習はできてました。しかし「どこに向かって走るか」が見えず、最初の1ヶ月は戸惑いました。5月くらいにUCIから「レースが始まる」との連絡がきて、レースに向けて練習の内容を変えていきました。

シーズン序盤から走り始めていたヨーロッパの選手から話を聞くと、ロックダウンや自宅隔離の影響が大きかったようです。僕はストレスなくしっかり準備をして、時間的にも距離的にも、過去4年で一番のトレーニング量をこなせました。なので僕個人としては、充実した時間を過ごせましたね。

特殊で変則的なシーズンでした。無事に終われて本当によかったと思います。というのも、新型コロナの影響で「レースが中断するのではないか」とか「ツール・ド・フランス、世界選手権が終了したらそこでシーズンを終えてしまうのではないか」といった不安がと隣り合わせのシーズンでしたから。

与えられた50レース程あり、それらををこなすことができてよかったです。すべてが100点だったとは言えません。でも自分としては満足のできるシーズンだったと思います。

Q:東京オリンピックで目指すのは?

メダル獲得です。

どの種目でもランキングはありますが、誰が勝つか分からないのが自転車競技です。僕は今世界でトップ10には入ってないんですけど、そのトップ10の選手じゃなくても表彰台に登れるのが自転車競技の魅力。僕自身いろんなチャンスをこれまで経験してきて、そのチャンスを東京で自分の手で手繰り寄せられるようなレースにしたいですね。

ツール・ド・フランスや、グランツールを知らない人でも、オリンピックはみんな知っているので、出身地・八重山諸島のみんなが喜んでくれるのは嬉しい。子どもたちが自分の姿を見て、小さな島からでも、こうして大舞台に立てることを知ってほしい。それは自転車じゃなくても、です。

この前日に羽田に到着し、現在は自宅にて自主隔離中の新城。11月はオフを取り、例年通り12月からトレーニングを開始する予定となっている。

Text:Miwa Iijima(インタビュー部分は記者会見文字起こし)
「TEAM ユキヤ通信 2020 №65」
04 November 2020 JAPAN
ーNotification regarding the decision TOKYO2020 ー
ー新城幸也 東京オリンピック代表決定のお知らせー