男子U23は、兒島が初タイトル

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草場は語る

勝利後、会見で「なんか……恐縮です」と笑った草場。全日本を勝ったという実感もまだなかった。

「このお二方(増田と中根)の上に立っているっていうのが僕の中で、不思議でしょうがないというか。明日また同じレースがあったら、絶対勝てる自信がないぐらいのお二人なので、本当にもう運が良かったと思います。今日に関しては、チームのみんなの思いが一番強かったのが愛三工業だったんじゃないかと。いっぱい悔しい失敗をJプロツアーでしてきました。それが(9月に行われたJプロツアー)南魚沼から歯車がかみ合い始めて。今回全日本を最後にチーム離れる選手もいるので、そういう思いもあって、一致団結できたのが良かったです」

草場は話した。

さらに、草場は今シーズンをこう振り返る。

「去年からJプロツアーを一勝もできていなくて、なんで愛三は勝てないんだみたいなことを言われることもありましたし、すごく辛い期間が長く続きました。でも(Jプロツアーの)南魚沼を取ってから、周りからの見られ方も変わってきて。僕らの戦いができるようになってきたということで、走り方と周りからの信頼の置かれ方も変わってきました。『ここからレースを引っ張ってくようなチームになっていかないといけない』と、逆に責任感も生まれたレースになりました」

新型コロナ禍がこのまま収束していけば、来年の全日本は例年通り6月頃開催されるだろう。それまで、全日本チャンピオンジャージを着られる期間は短いが、25才の草場が、愛三工業レーシングチームが今後の日本のレースを引っ張っていく存在になっていくであろうし、”そうでならなくてはならない”だろう。

全日本ロード 男子エリート リザルト

1位 草場啓吾(愛三工業レーシングチーム) 4時間47分16秒
2位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +0秒
3位 中根英登(EFエデュケーション・NIPPO) +1秒
4位 山本大喜(キナンサイクリングチーム) +2秒
5位 岡篤志(NIPPO・プロヴァンスPTSコンチ) +2秒

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Text & Photo : 滝沢佳奈子(サイクルスポーツ)