女子エリート+U23は植竹がスプリントを制す
11時30分からは女子エリート+U23の混走でのロードレースがスタート。昨日タイムトライアルを走った選手を含む、全24人がスタートラインについた。
女子は12.3kmのコースを8周、総距離98.4kmで行われた。
序盤は集団一つのまま、1周あたり21分前後のラップタイムで周回をこなしていく。3周目完了時点では、半分の選手が落ち、集団に残るのは10人となった。
さらに集団が割れ始めたのは、後半に入った4周目。
東京オリンピックの女子ロードレースに出場した金子広美(イナーメ信濃山形)、JBCFのレースで勝利をいくつも攫った植竹海貴(Y`s Road)、そしてMTBの世界選手権代表にも選ばれている川口うらら(日本体育大学)の実力者3人が抜け出す形となった。
追走をかけるのは、昨日TTを獲った樫木祥子(Team illuminate)、U23の優勝を目指すと昨日のTT後に話した石上夢乃(鹿屋体育大学)、牧瀬翼(WINGS PLUS)の3人。古山稀絵(日本体育大学大学院)と米田和美(MOPS)の2人もその後ろから追う。
しかし、5周目に入ると先頭3人と追走との差は徐々に広がっていった。
ラスト2周、先頭の3人から川口が離れる。先頭は、植竹と金子との戦いとなった。金子は、三段坂などの上り区間で再三アタックを仕掛けたが植竹は食らいついた。
「おそらく、女子の中ではスプリントが強いのかなと、上りで離されなければ最後で勝てる可能性があると思っていました。とりあえず上りで離されないようにするっていう作戦で頑張りました」
植竹はこう振り返る。金子のアグレッシブなアタックに対して、植竹は千切れそうになりながらも耐えた。
2人のまま、最後のフィニッシュラインが見えるところまで現れると、ラスト数10mのところで金子の後ろから植竹がスプリントを開始。スプリントでの伸びを見せた植竹は金子を差し切り、右拳を突き上げた。
植竹は「(勝ったことが)信じられないです。2年前の全日本ではDNFだったので、最初は、次の全日本を完走したいなと思って走っていました。今年、JBCFのレースですごい勝てていたので『入賞はできるかもしれない、できれば表彰台に乗りたいな』っていう感じで走っていて。まさか優勝できるとは思ってなかったので、すごく驚いてると同時にすごくうれしいですね」と話した。
個人ロードレース 女子エリート+U23 リザルト
1位 植竹海貴(Y`s Road) 2時間48分23秒
2位 金子広美(イナーメ信濃山形) +0秒
3位 川口うらら(日本体育大学) +1分18秒 ※女子U23優勝
4位 石上夢乃(鹿屋体育大学) +2分16秒
5位 樫木祥子(Team illuminate) +2分50秒
11位 古山稀絵(日本体育大学大学院) +13分53秒
Text & Photo : 滝沢佳奈子(サイクルスポーツ)