ツール・ド・フランス2017で世界王者サガン選手が失格となった件を先日お伝えしましたが、ネット上ではサガン選手擁護の声が優勢です。

サガン選手のコメント

レース直後、サガン選手は以下のようにコメントし、故意にカヴェンディッシュ選手を押したという疑いを明確に否定しました。

In the sprint I didn’t know that Mark Cavendish was behind me. He was coming from the right side, and I was trying to go on Kristoff’s wheel. Mark was coming really fast from the back and I just didn’t have time to react and to go left. He came into me and he went into the fence. When I was told after the finish that Mark had crashed, I went straight away to find out how he was doing. We are friends and colleagues in the peloton and crashes like that are never nice. I hope Mark recovers soon.

bora-hansgrohe.comより引用

「スプリント中、マークが私の後ろにいるとは知りませんでした。彼が後ろからすごい速さで来たので、左に避けることができませんでした。マークが私に接触してきて、その後フェンスにぶつかりました。ゴールした後、マークが落車したと聞いたのですぐに彼の様子を見に向かいました。私たちは友達だし、プロトンの戦友でもあるんです…あんなクラッシュは起こってはなりません。マークが早く元気になるように願っています」(抄訳)

ロルフ・アルダグ氏のコメントに批判の嵐

一方、チーム・ディメンションデータの医師であるロルフ・アルダグ氏はサガン選手を非難するコメントをツイート。

「クラッシュしたことが問題ではないんだよ。顔に肘を当てる事は暴力であり、失格になって当たり前だ。マット・レンショウが2010年に頭突きで失格になったのと同じ事だ」(抄訳)

これに対し、検証画像が投稿されるなど、多くの反論、批判が巻き起こりました。

「クラッシュしたことが問題ではないんだよ。顔に肘を当てる事は暴力だよ。でも、実際には肘なんて当たっていないだろ。ってことは、何も問題ないんだよ、分かる?」(抄訳)

「事実を捻じ曲げて伝えていますね。サガン選手の肘はカヴェンディッシュ選手に触れていないし、ましてや顔に触れていない事は明らかですよ」(抄訳)

「暴力ですって?百歩譲って、それってカヴェンディッシュ選手のせいでしょ。彼の頭がサガン選手にぶつかったから、サガン選手は倒れないようバランスをとっただけ。つまりは、カヴェンディッシュ選手の自業自得ね」(抄訳)

NBCSN Cycling公式ツイートへのコメント


「サガン選手が寄ってくるまでスペースは十分にあったよ!」(抄訳)

Le Tour de France UK 公式ツイートへのコメント

「残念なことに、本日のクラッシュにより、カヴェンディッシュ選手はツール・ド・フランスを棄権することになりました。早く怪我が治りますように」(抄訳)

「最初にぶつかったのはカヴェンディッシュ選手、UCIの判断は間違っているよ」(抄訳)

「この映像を見れば、サガン選手じゃなくてカヴェンディッシュ選手がクラッシュの原因だって分かります。UCIとフィリップ・マリエンが考え直してくれると良いのですが」(抄訳)

アンドレ・グライペル選手のツイート

ロット・ソウダル所属のアンドレ・グライペル選手は、今回のスプリントに絡み3位という結果でした。

「映像を見ずにコメントするべきではなかった。サガンに謝りたい。審判の決定は厳しすぎる」(抄訳)

ロビー・マキュアン元選手のツイート

2002年から2006年にかけて、ツール・ド・フランスでマイヨ・ヴェールを3度獲得するなど、数々のレースで活躍したオーストラリアの元トップ選手、ロビー・マキュアン氏。彼もこの件に関してサガン選手を擁護しています。

「サガン選手がツール・ド・フランス失格なんて納得できません。第4ステージ失格ならまだしも、ツアー失格なんてあり得ません」(抄訳)

まとめ

ボーラ・ハンスグローエはこの件をスポーツ仲裁裁判所に訴えたのですが、あえなく却下されてしまいました。何とも後味の悪い結果になってしまった今回のクラッシュ。多数を占めるネット上の厳しい反応は、悲劇の主人公として扱われているカヴェンディッシュ選手に対する反発という一面もあるのかもしれません。ただし忘れてはならないのは、UCIの判断に納得している人たちもおり、その多くはわざわざこの件についてツイートをしないだろうという点。ネット上の声に流されず、冷静に自分の目で判断してもらいたいです。

サガン選手が去った今、もうツール・ド・フランスを見ないなどとコメントするファンも多いのですが、ツール・ド・フランスでは今後も様々なドラマが生まれるでしょう。見るのをやめるなんて勿体ない、最後まで目が離せませんよ!もちろん、気を取り直したサガン選手と回復したカヴェンディッシュ選手の今後の活躍にも期待してください。