ツールの選手が目の前で白熱スプリント!
今年で5回目を迎えた「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」。回を重ねる毎に観客数が増え、ロードレース競技が日本でも着実に人気になっている、ということを実感した一日でした。
メインイベントであるクリテリウムレースは、さいたま新都心駅を中心とした周辺道路を3km走る周回コース。今年は2年ぶりにコースレイアウトが変わり、10のコーナーを含むコース。
コーナーへの侵入位置や立ち上がりのスプリント等、テクニックが要求されるコースで、選手にとっては難しく、観客にとっては見ごたえのあるレースになったことは間違いありません。
このさいたまクリテリウム、実は普段のレースでは見ることが出来ない、ファンにとっては「奇跡」とも言えるチームが編成されることがあります。
その代表的な例が、日本を代表する2選手である別府史之選手と新城幸也選手がタッグを組んで同じチームで走ったり、山本幸平選手と沢田時選手と言ったオフロード界を代表する選手たちがスペシャルチームとして同じチームで走る、など。
普段はライバルであったり、別競技で走っている選手たちが、この日だけは一緒に走るという、なんともスペシャルなイベントです。
レースには、本場ツール・ド・フランスのように山岳ポイントとスプリントポイントが設けられています。今回のクリテリウムでは、規定の周回でそのポイントを先頭で通過した選手に点数が与えられます。
特に見ごたえがあったのはスプリントポイント。スタート・ゴール地点を3、7、11、15週目に先頭で通過した選手が点数をもらえるのですが、スプリントポイントに周回は、本場のツールのゴール前さながら。
特に、マルセル・キッテル選手やマーク・カベンディッシュ選手、グレッヒ・バンアーベルマート選手らが本気で先頭を狙いに行く姿は迫力満点。ハンドルを投げ出すなど、その本気具合が見えました。
肝心のレースはというと、スタート前は選手同士で談笑するなど非常にリラックスした様子。スタートの合図からしばらくはパレード走行のように、まったりとした雰囲気で進んでいきます。
しかしながら、逃げを狙う選手が積極的に仕掛けたりと、集団前方は活発な動きが見られるシーンも。逃げ集団が形成され、時折かなりのスピードで通過していく選手たち。
この時、スペシャルチームの山本選手はすでに集団最後尾を走り、周を重ねる毎に集団から徐々に遅れ始めます(この後、結局DNF。同じチームで走っていた沢田選手も終盤にDNF。沢田選手は前日に出場したスターライトクロスの疲労が残っていた?)
逃げ集団のメンバーは2~3周ごとにメンバーが入れ替わり、ツールで総合2位だったリゴベルト・ウラン選手と、クラシックレースで活躍しまくり今年のUCI年間総合ランキングで個人総合1位に輝いたアーベルマート選手が一緒に逃げるシーンなどもあり、いつもは見られない選手の姿にファンも大喜び。
終盤に形成されていた逃げ集団は、マイヨジョーヌのクリス・フルーム選手、マイヨアポアルージュのワレン・バルギル選手など、まさに豪華な顔ぶれ。最終周回に入るころになると、バルギル選手が抜け出し単独で逃げを試み、それにフルーム選手、そこへなんと新城選手が混じる展開に。