ヴィレッラ、カノラ、初山、西薗…優勝候補たち
優勝候補と目されていたのは、2016年覇者のダヴィデ・ヴィレッラ選手(キャノンデール・ドラパック)、前日にクリテリウムを制したマルコ・カノラ選手。また、国内チームでは2017年の全日本選手権優勝者である畑中勇介選手(チーム右京)、2016年全日本覇者の初山翔選手(ブリヂストンアンカー)、さらには年内での引退を表明した西薗良太選手(ブリヂストンアンカー)に注目が集まりました。
レースはスタートからしばらく、海外のプロチームが積極的に動く展開となり、国内チーム選手らはその動きの速さに圧倒され、ついていけずに足切りとなる選手が発生。
集団が落ち着く頃には逃げが容認され、逃げ集団メンバーの中に日本人選手の姿もありました。しかし、レースが終盤になるにつれ、メイン集団との差はみるみる縮まり、最終周回ゴール前にはほとんど差がない白熱した状態に。
そして、小集団での決着争いとなった勝負の行方は、最終コーナーを曲がってからのスプリント合戦へ持ち込まれました。
周囲の状況を読み、前日のクリテリウムでも好調だったカノラ選手がスプリントで一歩抜け出し、そのままゴールへ。ゴールライン直前にガッツポーズを決める、余裕のゴールでした。
二位はベンジャミン・プラデス・レヴェルテル選手(チーム右京)、3位雨澤毅明選手(宇都宮ブリッツェン)。雨澤毅明選手は日本人最高位、ジャパンカップ初の表彰台を宇都宮ブリッツェンへもたらしました。
ジャパンカップ2017上位選手のコメント
マルコ・カノラ選手のコメント
雨でスリッピーだったが、コーナーをしっかり攻めきれたことが勝因だと思うよ。
チーム一丸となってつかんだ勝利だ。チームメートのサポートのおかげで最終週でもフレッシュな状態で走れたので、今日のレースを勝つことが出来たと思う。
ベンジャミン・プラデス・レヴェルテル選手のコメント
チーム右京には畑中やプジョル等強い選手がいて、常に誰かが先頭集団にいるようにしたよ。上りでは積極的に仕掛けた、というのも、カノラにはスプリントでは勝てないからね。
チーム右京という日本のチームとして2位になれたのは嬉しいよ。もし規定の14周だったら結果は違ったかもしれないけど(苦笑)
雨澤毅明選手のコメント
序盤の飛び出しでブリッツェンの選手は入れなかったが、その後にチームメートがカバーするような動きをしてくれたおかげで3位に入れたと思う。今まであまり良い結果を出せていなかったので、今日はチームに恩返しできた。
カノラとベンジャミンにはスプリントで全く勝てず、まだまだ力の差があることを知らされました。
まとめ
雨澤毅明選手は、前方で積極的にレース展開をしたことが、今回の順位へと結びついたと感じます。
こういった大きな舞台で若い日本人選手が活躍し、それが海外チームの目に留まり、さらなるステップアップの機会を得られると良いですね。
「下の世代が育っていない」と言われる日本ロードレース界。若手選手達の活躍に期待です。
Text&Photo : mog