欧州で行われるネーションズカップ第2戦。チームの目標を「完走」としたが、結果は全員DNFで終わった。
Ronde van Vlaanderen U23 (UCI 1.2U ネーションズカップ)
4月13日 168km 出走148名 完走77名
1 NIELSEN STOKBRO ANDREAS (DEN)
2 BEULLENS CEDRIC (BEL)
3 STEWART JAKE (GBR)
DNF 蠣崎 優仁
DNF 福田 圭晃
DNF 大町 健斗
DNF 小野寺 慶
DNF 門田 祐輔
DNF 渡邉 歩
チームの目標は「完走」、エースは渡邉と大町
欧州で行われるネーションズカップ第2戦。
ナショナルチームと数レース帯同し、過去の成績と現在のコンディションでは完走する事が大きな壁であると感じた。そこで今回のチームの目標を「完走」とし、目標を達成させるために渡邉と大町をエースとした。この2名の実力と他のメンバーのサポートを集約すれば完走は可能であると判断した。実際にここ数レースでもコンディションの良さが伺えた。
サポート役のメンバーは最初のレース開始ポイントと予想された100km地点のカナリエベルグ、115km地点のオウデクワルモントの入り口を最重要箇所として位置取りなどのサポートし、アタックのチャンスがあった場合は的を絞って動くことを許可した。
序盤にエース二人にアクシデント、浮き彫りになる課題
スタートから序盤の逃げを狙う選手たちが細かなアタックを繰り返すが、どれも想定内のペース。しかし、スタート後5kmで落車が発生し渡邉が落車。バイクを交換し、最初の石畳地点(10km)を前に集団に復帰することができた。
その後3名が逃げを成功させ集団とのギャップを4分30秒まで作りペースは安定した。
大町もいくつかの石畳をクリアしたのちにパンク。無事に集団に復帰するが集団後方にいる事が多かった。
エースの二人に序盤からアクシデントがあり、その際も誰も後ろに下がってくる事もなく、自分の判断で走り続けた選手がいた事は残念であり、監督としてアシストとしての役割を更に事細かに説明する必要があると反省した。
アクシデントがあったこともあり、エースを指名された2名はレース途中で不調を訴え自身の任務を諦めてしまった。一般的には正論であるが、この2名以外に完走できる選手はいないと判断しての戦略ではどのような状況でもこの2名が最後まで諦めてはいけなかった。
この事もきちんと伝えておくべきだった。
門田、鎖骨を骨折
逃げる3名が約80km地点で吸収された後は100km地点のカナリエベルグに向けて集団のペースは一気に加速したが、カナリエベルグで4名が逃げた事で集団のペースはまた落ち着きを見せる。
115km地点のオウデクワルモントの手前で位置取りを行う中で門田が単独で落車。鎖骨を骨折させてしまった。日本選手は4名が残っていたが集団が本気を出したオウデクワルモント、パテルベルグと続くプロのレースでお馴染みの石畳+激坂区間で小野寺、大町、福田の3名が遅れた。
蠣崎はパテルベルグを集団最後尾付近でクリアしたものの、その後のペースアップに付いて行けず千切れ、残り50kmでリタイヤとなった。
今回の経験は、チームとして機能させるために必要な多くのピースをより具体的に突き付けられた形となった。今回エースとして指名された2名は今週末にリエージュ バストーニュ リエージュにチームに役割を変えながら参加する。
今回のレースの反省を踏まえ、役割分担をより明確にし、目標に応じた組織的なレースができるよう選手たちに伝え、ステップアップを図りたい。
(文:橋川健)
TEXT:JCF