4月8日から始まっている、エリート女子のThe Princess Maha Chakri Sirindhorn’s Cup Women’s Tour of Thailand 2019 (UCI2.1)。
エース梶原にトラブル発生/The Princess Maha Chakri Sirindhorn’s Cup Women’s Tour of Thailand 2019 stage2
Stage3はチェンマイの中心から道幅の広い国道を東に向かい、そこから北側を回ってチェンマイに戻る83.8kmの平坦コース。日本チームはスプリントポイントでのボーナスタイムを狙い、最後は集団スプリントに持ち込みJUTATIPと勝負して逆転での個人総合優勝を狙った。Stage2のゴール前に上野、唐見が落車に巻き込まれてしまい、唐見が手首を強く打ちつけこの日はスタートを見合わせ4名で戦うこととなった。
梶原の猛勢
前半35kmは道幅の広いコースでアタックがかかるが大きな逃げは決まらず、1回目のスプリントポイントを梶原が1位通過する。JUTATIPとのタイム差を3秒まで縮め、暫定2位まで個人総合をあげるのに成功する。
45kmあたりから9名の逃げが決まり集団に最大35秒のタイム差をつける。逃げの中には梶原と11秒差のウクライナの選手がいたが、この選手にスプリントポイントでボーナスタイムをとられても問題はなく、最後の集団スプリントに集中。
2度目のスプリントポイント後に9名の逃げが吸収され、アタックはかかり続けるが集団は分断されることはない。ゴールが近くなると梶原が自力で位置取りする場面が多くなり、ラスト1.2kmの最終コーナーも脚を使って梶原はほぼ一番前まで上がる。そこからの緩い登りゴールに向けてラスト400mあたりまで単独で位置取り。
写真判定でも判断が出来ないほどの僅差で3位
最後は上野が梶原をサポートするために前まで上がるが、同時にWCCの列車が動き始め、そこから梶原はスプリントに臨んだ。チームでまとまってゴール前の位置取りをしてきたWCCの CAMPBELL Teniel、タイのJUTATIP Maneephanとの脚の温存度合いの差がそのまま着順差となってしまった。
JUTATIP Maneephanがステージを獲り、写真判定でも判断が出来ないほどの僅差でCAMPBELL Tenielが先着し梶原は3位となり、最後のボーナスタイム争いの結果で梶原は個人総合3位となった。
力を尽くしたものの、個人総合優勝には手が届かず
今大会直前の現地での練習で5選手全員落車する惨事があったが、そこから集中力を切らさず何とかコンディションを整え、各選手力を尽くしたが個人総合優勝には届かなかった。
この3日間のレースではチームとしての動きに課題も残った。集団スプリント、途中のボーナスタイムが重要となる平坦レースで結果を残すにはチームでいかに力を分担してエースを勝負所まで温存するかが重要となる。スプリントポイントやゴールに向けてエースをより良い位置からスプリントさせるための位置取り、アタック合戦の際のチームでの防御の仕方、集団コントロールの際のペースの上げ下げやタイム差と逃げメンバーを確認しながらの追いかけ方、チームでの集団内での位置取り、補給のタイミング、レース中のコミュニケーションなど一つ一つ修正出来ればチームとしてより良い結果を残す可能性を高めることが出来る。
5月に参加予定のUCI2.1、1.1に向けて修正すべき点をチームで共有してよりまとまって優勝を目指す。
Stage3 競技結果
1 JUTATIP Maneephan(タイ)1時間57分49秒
2 CAMPBELL Teniel (WCC TEAM) 同タイム
3梶原悠未 同タイム
33上野みなみ同タイム
45牧瀬翼10秒
63石上夢乃1分37秒差
Stage3終了時 個人総合成績
1 JUTATIP Maneephan(タイ)5時間46分34秒
2 CAMPBELL Teniel (WCC TEAM)8秒差
3 梶原悠未 9秒差
35上野みなみ 28秒差
41牧瀬翼 38秒差
63 石上夢乃 8分29秒差
(文:JCF強化コーチ 柿木孝之)
TEXT:JCF