イタリアのElena PIRRONEがTTとダブルタイトル獲得
雨の中、92名が出走
9月22日の午前に行なわれたジュニア女子ロードには下山美寿々(しもやま みすず)が出走した。
1周19.1km、ベルゲンの街を4周回する76.4kmのコース。TT(タイムトライアル)のコースと重複する部分が多い。メインとなる1.5kmの登りとその前のアップダウンが選手をふるいにかける。
レースは雨がぱらつく中92名の選手がスタートし、落車の起こりやすいロータリーもあるため選手はスタートと同時に一斉にスプリントをかけて位置取りを行なう。
1周目の登り区間で集団は30人ほどに絞られ、その中で下山は余裕を持って対応する。その後の平坦区間で再び集団は大きくなるが、2周目の登りでは25名ほどが抜け出し30秒ほどのタイム差を集団につける。下山も先頭集団の中に入り良い展開であったが、平坦区間で集団は再び一つになる。
PIRRONEが独走の逃げ
3周目は登り口からオーストラリアのMadeleine FASNACHTがアタックをかけて集団のペースも上がり、16名の先頭集団を形成する。そこからTT世界チャンピオンになったばかりのElena PIRRONE(イタリア)が独走を開始し、15名の追走集団に10秒から15秒のタイム差をつけて逃げ続ける。下山はこの登りでの攻撃で先頭集団に残れず、その次の7名ほどで第2集団を形成する。Elena PIRRONEはそのままゴールまで逃げ続け、力差を見せつけてTTとダブルタイトルを獲得した。
下山の集団は前に追いつけず、遅れていた選手も下山らに合流して大きな集団となり4分12秒差で26位となった。
エリートでの糧となるように
3周目の登りは先頭グループに残るために、あとひと踏みが出来なかった。ただ、目の前で先頭グループが形成されていくのを目にし、世界のトップジュニアとの具体的な差を感じ取ることが出来た。
昨年、今年と世界選手権に向けて夏休みはベルギーでレース活動を行ない準備してきた。今回結果は残せなかったが、これらの経験が来年からのエリートでの活動に良い糧となるよう期待している。
Text : JCF強化コーチ 柿木孝之
9月22日ロード世界選手権2017女子ジュニアロードレース 結果
順位 | 選手名 | 国 | タイム |
1 | Elena PIRRONE | イタリア | 2時間6分17秒 |
2 | Emma Cecilie Norsgaard JORGENSEN | デンマーク | +12秒 |
3 | PATERNOSTER Letizia | イタリア | “ |
26 | 下山美寿々 | 日本 | +4分12秒 |
コース長:76.4km
原文:日本自転車競技連盟