UCI(国際自転車競技連合)は2026年6月10日〜12日にフランスにて理事会を開催。
同理事会で決定されたもののうち、主にロードレースの「男子U-23」カテゴリにおける変更を紹介していく。
そのほかの内容は、以下記事をご覧いただきたい。
プロ選手はU-23大会への参加不可
今回発表された内容は、「2026年以降、UCIワールドチーム/プロチームに所属する男子U-23の選手はネーションズカップへの出場が認められない」というもの。
2024年9月の理事会にて、『世界選手権』『大陸選手権』のU-23カテゴリについては同様の措置が発表されていたが、それが『ネーションズカップ』へも拡大、厳格化される形となる。
要するに、UCIワールドチーム/プロチーム所属(プロ契約)している選手はエリートクラスの大会へ、ということ。
2024年の『ロードレース世界選手権』では、ロードレースのU-23カテゴリでマルティン・スヴルチェク(スロバキア)とアレック・セガールト(ベルギー)が銀・銅メダルを獲得しているが、この規則適用後であれば出場できていなかったこととなる。
なお『ヨーロッパ選手権』などトラックの大会にも一部U23カテゴリが存在するが、2024年9月の発表では「for road cycling」と明記されているため、現時点ではロードレースの大会に限定されている。
UCIランキングにも変更が
この変更に伴い、UCIランキング上も、該当の選手はエリート選手として扱われることに*。
一方で、ジュニアカテゴリに関しては、従来の「国別ランキング」に加えて「個人ランキング」も2026年よりスタートすることが発表された。
※現時点でも、UCIの公式サイト上では「U-23の個人ランキング」は表示されないが、2026年からは制度上もそれが適用されることとなる
若手育成への環境整備
これらの施策からは、競技の公平性を保つとともに、若手カテゴリを“育成の場”としてしっかりと確立・機能させたいというUCIの思いが見てとれる。2025年にルワンダで行われる『ロードレース世界選手権』より、女子U-23専用のレースが初開催されることも、同様の試みのひとつといえるだろう。
先に別記事にて紹介した、主に女子ロードレースのさまざまな施策とあわせ、今後の展開にも注目したい。