イギリス男子ロード選手のマーク・カヴェンディッシュが2023年5月22日、自身も出場していた『2023ジロ・デ・イタリア』の第2休息日に行われた記者会見に登壇。2023年シーズンを最後にプロ選手から引退することを発表した。

本記事では選手としての実績を振り返りつつ、現地メディアにて報道された本人コメントなどとともにマーク・カヴェンディッシュの引退についてお伝えしていく。

参照:The Guardian(2023年5月22日)

マーク・カヴェンディッシュ略歴

イギリス出身、1985年生まれの男子選手。

2003年にイギリス自転車競技連盟のアカデミープログラムに参加し、ナショナルチーム入りを果たしたマーク・カヴェンディッシュ。主にロードで活躍してきた選手だが、トラック競技でも成功を収めている。

トラック競技で世界タイトル・オリンピックメダルを獲得

自身初の世界タイトルはトラック競技で獲得。ロサンゼルスで開催された『2005世界選手権トラック』のマディソンで初優勝。その後も2008年大会(マンチェスター)2016年大会(ロンドン)のマディソンでも優勝を飾っている。

2016年「リオオリンピック」ではオムニアムの銀メダル獲得も果たしている。

世界屈指のグランツールライダー

一方のロードでは、2006年にプロロードチームの『T-Mobile』と契約。2008年には「ジロ・デ・イタリア」で2ステージ、「ツール・ド・フランス」で4ステージの勝利を挙げ、最も成功したイギリス人グランツール*ライダーとして、その名を世界に轟かせた。(当時22歳)

2011年には「ロード世界選手権ロードレース」で優勝し、アルカンシェルも獲得した。

※グランツール:ロードレース世界最高峰とされる3つのステージレース。「ツール・ド・フランス」「ジロ・デ・イタリア」「ブエルタ・ア・エスパーニャ」のこと。

その後15年間にわたり、グランツールでは53ステージにて優勝を積み上げ、自身33歳を迎えた2022年にも「ジロ・デ・イタリア」にてステージ優勝を飾った。

プロ選手最後のシーズンとなる2023年現在、カヴェンディッシュが持つ「ツール・ド・フランス」での通算ステージ優勝数は34回。レジェンド選手の1人、エディー・メルクス(ベルギー)に並ぶ史上最多タイの記録だ。2023年7月1日から開幕する『2023ツール・ド・フランス』に出場し、ステージ優勝を1つでも飾ることができれば、最多記録の更新となる。

100kmを優に超えるロードレースと、250mバンクを周回するトラック競技。その両方で世界トップの成績を残した数少ない選手の1人だ。

British Cycling New(2023年5月22日)

「人生の多くを自転車競技から」

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