「ウィメンズワールドチーム」になるメリットは?
“1stディビジョン”に登録され「より競争率の高い舞台で戦える」という利点もあるが、選手にとって「UCI ウィメンズワールドチーム(WWT)」に所属するメリットは他にもある。
最低賃金は約2倍へ
女子ロード最高レベルの舞台で走ることから、全選手への給料の支給が義務化されているプロ選手。WWT設立時には、選手の最低賃金が以下のようにUCIによって定められた。(レース賞金は含まない)
シーズン | 最低賃金 |
2020年 | €15,000 |
2021年 | €20,000 |
2022年 | €27,500 |
2020年ではWWT所属選手の最低賃金は「€15,000」となっていたが、2023年に向けて段階的に賃金を引き上げていくこともWWT設立時に既に発表されていた。そして2022年には2023年〜2025年シーズンの最低賃金も以下のように発表され、さらに増加しているのがわかる。
シーズン | 最低賃金 |
2023年 | €26,849 |
2024年 | €29,270 |
2025年 | €31,768 |
WWT所属選手の最低賃金は年々増加し、2025年シーズンには設立当初の2倍以上の額に達する予定だ。
参照:UCI Regulations ROAD RACE「2.13.177」
その他の補償も義務化
男子のUCIワールドチームやUCIプロチームと同じく、プロ選手としての活動が約束されているUCIウィメンズワールドチーム(WWT)。
WWTでは最低賃金が設定されているだけでなく、傷病保険や年金保険、育児に関する保険などを選手に付保することも義務化されている。
WWTの選手のなかには、キャリアの途中に妊娠・出産を経て復帰を果たし、世界トップの舞台で好成績を残している選手も存在する。
こうした手当に関する実施や認知が広がっていくことで、「プロ自転車競技選手」を目指す人口が男女共に増えていくかもしれない。自転車競技を発展させていく上では、非常に重要なことだ。
ぜひ今後とも選手たちの活躍に加え、それらを支える自転車競技やスポーツにおける「制度」の発展にもご注目いただきたい。