「UCIワールドチーム」とは
「UCIワールドチーム」とは、男子ロードレース界において”最高格”に位置付けられるチームの称号、またはそのチームの総称。(以下ワールドチーム )
出場できる大会
ワールドチームは”第1ディビジョン”に位置するワールドツアーに無条件で出場できる唯一のチーム(正しくは、ワールドツアーに指定される全大会に出場する義務を持つ、唯一のチーム)。
主にワールドツアーを主な主戦場とするものの、プロシリーズ、コンチネンタルサーキット・クラス1に指定される大会にも出場することができる*。
※プロシリーズ以下の大会では、1大会に出場できるワールドチームの数には限りがある。
ワールドチームになるには?
ワールドチームとなることができるのは、UCIが定める「倫理・財務・管理・組織」における基準を全て満たしているとUCIが認めたチームのみ。しかも2022年シーズンの場合、「18枠」という限られたチームのみ、そのライセンスを得ることができる。
基準を満たし、ワールドチームとしての資格を申請するチームが18チームを超えた場合は、UCIワールドランキングで上位を占めるチームの申請から順番に承認されていく仕組みとなっている。仮に、基準を満たした19チームから申請があった場合、その19チームのうち最もランキングが下位のチームが落選する、というような仕組みだ。
十分に運営できる組織としての能力と、レースで結果を残せるチームとしての能力、その両方において一流のチームのみが得ることができる資格・称号だ。
(しかし、あくまでこちらは「申請ベース」。ランキングが上位でもワールドチームに申請しないチームも存在する。ワールドチームの18チームが絶対に「世界最強の18チーム」という訳ではない)
重要情報まとめ
枠数:最大18チーム(2022年)
審査基準:「倫理・財務・管理・組織」における基準
出場可能な最高レベルの大会:ワールドツアー(全体会への参加が原則)
参照:
UCI Regulations Road Race CALENDAR AND PARTICIPATION International races and participation 2.1.005
Chapter XV UCI WORLDTOUR UCI WorldTeams 2.15.047
(日本語版)
「UCIプロチーム」とは
「UCIプロチーム」とは、男子ロードレース界においてワールドチームに次ぐ”グレード”に位置するチームの称号、またはそのチームの総称。(以下プロチーム)
出場できる大会
プロチームが無条件で出場できる”最高グレード”の大会は、プロシリーズ。
ワールドチームには、ワールドツアーに指定される大会に全て出場しなくてはならないという義務がある一方、プロシリーズに指定される大会は各大陸に多くあるため、プロチームが出場を義務付けられているプロシリーズの大会はない。
しかし、プロチームの中でも前年シーズンをプロチームのUCIランキングにおいて上位で終えたチームは、ワールドツアーへ出場するための招待を受けることができ、招待を承認した場合は、一部のワールドツアーの大会へ出場する義務が課せられる。
2022年シーズンでは、前2021年シーズンにプロチームのなかでランキング1・2位だった「Alpecin-Fenix*」と「Team Arkea-Samsic」にワールドツアーのステージレース、3大グランツールへの招待がかかり、2チームともこれを承認したため当該大会への出場義務が課せられている。
※2022年7月現現在は「Alpecin-Deceuninck」
参照:UCI Regulations Road Race OBLIGATORY INVITATIONS TO 2022 EVENTS
また、同ランキングで3位だった「TotalEnergies」はワールドツアーのうちワンデーレースの大会への招待を受け、これを承認したため、当該大会へ出場することが同様に義務付けられている。
また、ワールドツアーの各大会主催者による「ワイルドカード」という招待枠に選ばれることで、特別にワールドツアーに出場することができる、というのもプロチームの特権だ。
ワールドツアーに指定される全大会への出場義務はなく、しかしワールドツアーへの出場チャンスを持っていながら、プロシリーズやコンチネンタルサーキットにも参加できる、というような特徴を持っているのが、プロチームだ。
参照:UCI Regulations Road Race OBLIGATORY INVITATIONS TO 2022 EVENTS
プロチームになるには?
プロチームとなるためには、ワールドチーム同様にUCIが定める基準を満たしている必要がある。
しかし、プロチームに求められるのは「倫理・財務・管理」における基準のみ。ワールドチームとは異なり「組織的な基準」は必要基準には含まれおらず、またプロチームのライセンスを獲得できるチーム数には上限がない。
つまり、チームのランキングにかかわらず、以上の基準に関する諸条件を満たしていればプロチームになれる、ということだ。
重要情報まとめ
チーム数:上限なし(2022年シーズン7月現在は16チーム)
審査基準:「倫理・財務・管理」における基準
出場可能な最高レベルの大会:
ワールドツアー(ランキング上位チーム、ワイルドカードとして招待を受けたチームのみ)
参照:
UCI Regulations Road Race CALENDAR AND PARTICIPATION International races and participation 2.1.005
Chapter XVI UCI PROTEAMS
(日本語版)
「UCIコンチネンタルチーム」とは
「UCIコンチネンタルチーム」とは、UCIのロードレースにおいて、”最下層グレード”に位置するチームの称号、またはそのチームの総称。(以下コンチネンタルチーム)
出場できる大会
コンチネンタルチームが出場できる”最高グレード”の大会はプロシリーズ。
ただし、ヨーロッパで開催されるプロシリーズでは、「非開催国のコンチネンタルチームは最大2チームまで参加可能」と上限が設けられている。
またUCIコンチネンタルチームは2022年7月現在、179チームも存在するため、コンチネンタルチームの多くはプロシリーズへの出場が少なく、各大陸のコンチネンタルサーキットでシーズンのほとんどを戦っている、というのが現状。
コンチネンタルチームになるには?
UCIから認可を受けライセンスを獲得するワールドチームやプロチームと異なり、コンチネンタルチームはチームが本籍を置く各国自転車競技連盟から認可を受けることで、そのライセンスを得ることができる。
1カ国につき最大15チームまで登録可能で、チーム形態はプロ・アマチュアのどちらかを採ることができる。
重要情報まとめ
チーム数:
1カ国につき次第15チームまで
(2022年シーズンは179チーム)
審査基準:「倫理・財務・管理」における基準
出場可能な最高レベルの大会:
ワールドツアー(ランキング上位チーム、ワイルドカードとして招待を受けたチームのみ)
参照:
UCI Regulations Road Race CALENDAR AND PARTICIPATION International races and participation 2.1.005
Chapter XVII UCI CONTINENTAL TEAMS
(日本語版)