2022年7月1日より開幕した「ツール・ド・フランス2022」。自転車ロードレースの最高峰に位置付けられ、オリンピックやサッカーワールドカップとともに”世界3大スポーツイベント”の1つとして、しばしば称されることもある大会。

ツール・ド・フランスをはじめとするロードレースは、11月初旬から翌年の10月中旬までを1シーズンとして、様々な大会が開催される。

そして各大会はそれぞれ、「ワールドツアー」や「プロシリーズ」などの異なる種類の大会に分類されており、また参加するチームにも「ワールドチーム」や「プロチーム」などの異なる種類のチームが存在する。

本記事では、UCIが認めるロードレースの大会の種類、そしてそれらの大会に出場するロードレースのチームの種類について解説していく。

解説前の大前提

AIGLE, SWITZERLAND - OCTOBER 17: A general view of UCI World Cycling Center is seen on October 17, 2010 in Aigle Switzerland. (Photo by Harold Cunningham/Getty Images)

今回ご紹介するのは、UCI(国際自転車連合)が定めるロードレースの大会と、それらに出場するロードレースチームの種類について。

UCIとは自転車競技のルール制作や、選手・役員等のライセンスの管理などを行なっている団体だ。

UCIが安全面や人権などの分野から審査し、その正当性や実現可能性が認められた大会だけが、UCIカレンダーに登録され、”UCI認定レース”として開催される。

そしてそれらの大会に出場できるチームや選手も、UCIへの登録が必須となっている。本記事でご紹介するのは、UCIの定めるロードレースの大会の種類と仕組み、またUCIライセンスを有するロードレースのチームについて。

※以下より記載する「ロードレース(の大会)」とは、「UCIが認めたロードレース(の大会)」を意味するものとする。

ロードレース大会のヒエラルキー(2022年)

ロードレースの大会の種類には、ツール・ド・フランスのような最高峰に位置付けられる大会を含む「UCIワールドツアー」を頂点とした、以下の表のような”ヒエラルキー”が存在する。

大会の種類 2022年シーズンの大会数 主な大会
1. UCIワールドツアー 約30大会 ツール・ド・フランス」などのグランツール
パリ〜ルーベ 」などのモニュメント
ストラーデ・ビアンケ」「UAEツアー」など
2. UCIプロシリーズ 60大会以上 ミラノ〜トリノ」「パリ〜ツール
ジャパンカップ」など
3. UCIコンチネンタルサーキット
ヨーロッパツアー
250大会以上 「クラス1」の大会
ジロ・デ・シチリア
ツール・ド・ハンガリー」など
「クラス2」の大会
ツール・ド・ノルマンディ」など
4. UCIコンチネンタルサーキット
アフリカツアー
アメリカツアー
アジアツアー
オセアニアツアー
40大会以上 「クラス1」の大会
サウジツアー」(アジアツアー)
ツール・ドゥ・ルワンダ」(アフリカツアー)など
「クラス2」の大会
ツール・ド・熊野
ツアー・オブ・ジャパン」(アジアツアー)
ブエルタ・ア・コロンビア」(アメリカツアー)など

参照:UCI Regulations Road Race CALENDAR AND PARTICIPATION International races and participation 2.1.005日本語版

では次に、以上のようなロードレース大会の種類について、それぞれどんな種類の大会なのか解説していく。

「ワールドツアー」とは?出場できるチームは?

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