2022年7月1日より開幕した「ツール・ド・フランス2022」。自転車ロードレースの最高峰に位置付けられ、オリンピックやサッカーワールドカップとともに”世界3大スポーツイベント”の1つとして、しばしば称されることもある大会。
ツール・ド・フランスをはじめとするロードレースは、11月初旬から翌年の10月中旬までを1シーズンとして、様々な大会が開催される。
そして各大会はそれぞれ、「ワールドツアー」や「プロシリーズ」などの異なる種類の大会に分類されており、また参加するチームにも「ワールドチーム」や「プロチーム」などの異なる種類のチームが存在する。
本記事では、UCIが認めるロードレースの大会の種類、そしてそれらの大会に出場するロードレースのチームの種類について解説していく。
解説前の大前提
今回ご紹介するのは、UCI(国際自転車連合)が定めるロードレースの大会と、それらに出場するロードレースチームの種類について。
UCIとは自転車競技のルール制作や、選手・役員等のライセンスの管理などを行なっている団体だ。
UCIが安全面や人権などの分野から審査し、その正当性や実現可能性が認められた大会だけが、UCIカレンダーに登録され、”UCI認定レース”として開催される。
そしてそれらの大会に出場できるチームや選手も、UCIへの登録が必須となっている。本記事でご紹介するのは、UCIの定めるロードレースの大会の種類と仕組み、またUCIライセンスを有するロードレースのチームについて。
※以下より記載する「ロードレース(の大会)」とは、「UCIが認めたロードレース(の大会)」を意味するものとする。
ロードレース大会のヒエラルキー(2022年)
ロードレースの大会の種類には、ツール・ド・フランスのような最高峰に位置付けられる大会を含む「UCIワールドツアー」を頂点とした、以下の表のような”ヒエラルキー”が存在する。
大会の種類 | 2022年シーズンの大会数 | 主な大会 |
1. UCIワールドツアー | 約30大会 | 「ツール・ド・フランス」などのグランツール 「パリ〜ルーベ 」などのモニュメント 「ストラーデ・ビアンケ」「UAEツアー」など |
2. UCIプロシリーズ | 60大会以上 | 「ミラノ〜トリノ」「パリ〜ツール」 「ジャパンカップ」など |
3. UCIコンチネンタルサーキット ヨーロッパツアー |
250大会以上 | 「クラス1」の大会 「ジロ・デ・シチリア」 「ツール・ド・ハンガリー」など |
「クラス2」の大会 「ツール・ド・ノルマンディ」など |
||
4. UCIコンチネンタルサーキット アフリカツアー アメリカツアー アジアツアー オセアニアツアー |
40大会以上 | 「クラス1」の大会 「サウジツアー」(アジアツアー) 「ツール・ドゥ・ルワンダ」(アフリカツアー)など |
「クラス2」の大会 「ツール・ド・熊野」 「ツアー・オブ・ジャパン」(アジアツアー) 「ブエルタ・ア・コロンビア」(アメリカツアー)など |
参照:UCI Regulations Road Race CALENDAR AND PARTICIPATION International races and participation 2.1.005(日本語版)
では次に、以上のようなロードレース大会の種類について、それぞれどんな種類の大会なのか解説していく。