第18ステージ:フランス人選手がワン・ツーを決める
今大会、残り2つとなった平坦スプリントステージを制したのは、フランスの元ロードチャンピオンでミラノ~サンレモ覇者アルノー・デマール(フランス/グルパマFDJ)だ。
今やフランス最強のスプリンターと言っても過言ではない選手であるが、ガビリアやサガン、フルーネヴェーヘンといった今大会最強の選手たちになかなか勝つことができなかった。
しかしこのステージで彼は、数多くのトップスプリンターたちが大会を去ることとなった厳しい山岳地帯を走りきった。そして誰一人リタイア者を出さなかったグルパマFDJのメンバーに助けられ、位置取りに失敗したペテル・サガンを負かして勝利を掴んだのだった。
ツール・ド・フランス2018 第18ステージ ラスト1km
若手フランス人選手がステージ2位
2位につけたクリストフ・ラポルテ(フランス/コフィディス・ソリュシオンクレディ)は、長くチームのエースであったナセル・ブアニを押しのけ、エース待遇でのツール出場を果たしていた。結果として勝利を掴めなかったものの、5位が2回、2位が1回。そして厳しい山岳の続いた今回のツールを完走したことは、フレンチスプリンターの期待の星としての成長をぐっと見背つけることができたといえるだろう。
第19ステージ:3つの名山岳を越える最後の山岳ステージ
今年のツール・ド・フランス最後の山岳ステージとなったのは、アスパン峠、トゥールマレー峠、オービスク峠といった、ツール・ド・フランス伝統の名山岳が連続するステージ。
この日も有力クライマーたちを中心に逃げ集団が形成。そしてメイン集団ではこれまで目立った活躍が見られなかったカチューシャ・アルペシンが集団を牽引し始める。
超級トゥールマレーの登りで、メイン集団が動く。アシストの力を借りて、カチューシャ・アルペシンのエースで総合12位のイルヌール・ザッカリン(ロシア)が仕掛けると、これに続いて総合8位のロマン・バルデ、総合7位のミケル・ランダなど総合上位陣が次々とアタックを開始した。ゲラント・トーマス率いるチーム・スカイはこれを黙認。
トゥールマレーを下り切ったのちに追走のランダたちは先頭に合流。一時はランダが総合2位にまで浮上する瞬間も生まれた。
最後の超級オービスクの登りで、メイン集団から総合6位のクラウスヴァイクが飛び出す。残された集団の中でも、総合2位のデュムランがアタックを連発。激しい攻防戦をトーマスは耐え抜くいた。
そして、総合4位プリモシュ・ログリッチェが霧の中オービスクの下りでアタック。元スキージャンパーだったゆえか、恐れを知らない驚異的なダウンヒルを見せつけて、昨年に続くツール2勝目を記録した。
ツール・ド・フランス2018 第19ステージ ラスト1km 霧の中の下り 3:21~
この勝利で、ログリッチェは総合3位に浮上。過去4度のツール・ド・フランス総合優勝を果たしているフルームは、総合表彰台からも引きずり降ろされる結果のまま、総合争いの最終決戦の地に赴く。