2018年7月7日(土)に開幕し、3週間にわたる激戦が繰り広げられた世界最大の自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」がついに閉幕した。最後まで白熱の総合争いが繰り広げられたツール・ド・フランス3週目を振り返る。
ウェールズ人初の総合優勝者が誕生
105回目の総合優勝を果たしたのは、史上3人目のイギリス人総合優勝者であり、初のウェールズ人総合優勝者となったゲラント・トーマス(イギリス/チーム・スカイ)だ。これまでツール・ド・フランスの総合10位以内に一度も入ったことがない選手だ。
総合2位につけたのは、今年のジロ・デ・イタリアで総合2位となったトム・デュムラン(オランダ/チーム・サンウェブ)。ツール総合2位は、オランダ人としては30年ぶりの快挙となる。
総合3位は今年のジロ・デ・イタリア総合優勝者クリストファー・フルーム(イギリス/チーム・スカイ)。昨年まで3年連続4回のツール・ド・フランス総合優勝を果たしてきた彼だが、今年は序盤での落車によるタイムロスと終盤の山岳での遅れが響き、史上5人目となる「ツール・ド・フランス5勝」を成し遂げることはできなかった。
努力は全て報われる
最終日表彰台上でのスピーチにて、トーマスは以下のようにコメントした。
このレースに出るために自転車を始めました。よくツール・ド・フランスのラストを見るために学校から帰ってきていた事を思い出します。
ツールに出たいという私の夢は、12年前の2007年に実現しました。そして今、黄色のジャージに包まれてここに立っています。それはとてもとてもじゃないけれど、信じられないことです。
子供たちよ、大きな夢を持ちなさい。もしも、誰かがその夢を不可能なものだと言っても、あなたは自分を信じて、努力し続けるべきです。最後には、それは全て報われます。ありがとう。そして、ツール万歳!(引用:Cycling News)
ポイント賞・山岳賞・新人賞
「最強スプリンター」の証であるポイント賞「マイヨ・ヴェール」を手に入れたのは、ペテル・サガン(スロバキア/ボーラ・ハンスグローエ)。今回で6回目の獲得となった。
山岳賞「マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ」はジュリアン・アラフィリップ(フランス/クイックステップ・フロアーズ)。昨年に続き、2年連続のフランス人選手の獲得となった。
そして、25歳以下の選手で最も総合成績の良かったものに送られる新人賞「マイヨ・ブラン」を手にしたのはピエール・ラトゥール(フランス/AG2Rラモンデュアル)。昨年新人賞を受賞したサイモン・イェーツは今年のジロ・デ・イタリアでも大活躍した。ラトゥールの今後も、非常に楽しみである。
次のページから、怒涛の3週目をステージごとに振り返りたい。
・第16ステージ:「ツール史上最大の悲劇の地」で落車事故
・第17ステージ:5年ぶりにナイロ・キンタナがステージ優勝
・第18ステージ:フランス人選手がワン・ツーを決める
・第19ステージ:3つの名山岳を越える最後の山岳ステージ
・第20ステージ:個人TTをデュムランが制す
・第21ステージ:最後のスプリント勝者はアレクサンドル・クリストフ