IOCによる発表

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UCIによる発表は?

世界の自転車競技を統括するUCI(国際自転車競技連合)。IOCが2022年2月28日に発表したウクライナ情勢をめぐる制裁や救済措置に対しては、翌日(3月1日)に賛同する声明を出し、自転車競技における措置を発表していた。

しかし今回のIOCによる発表に関しては、2023年1月27日現在、まだ声明を発表していない状況だ。

UCIはこれまで自転車競技において、ウクライナの選手・国内自転車競技連盟に対し、WCC*に招くなどして支援を行ってきた。

※WCC:UCIワールドサイクリングセンター

ジャイ・アングスタサウイット, Jai ANGSUTHASAWIT, THA, トム・デラシェ, Tom DERACHE, FRA, ハーミッシュ・タンブル, Hamish TURNBULL, GBR, 中野慎詞, Shinji NAKANO, JPN, ミカイル・ヤコフレフ, Mikhail YAKOVLEV, ISR, ハリー・ラブレイセン, Harrie LAVREYSEN, NED, UCI Track Champions League, Round 5 London

(左)ミカイル・ヤコフレフ

一方ロシア・ベラルーシの国籍を持つ選手個人に対しては、厳しい条件を課しながらも、国際大会への出場権利を一部認めてきた。

トラック競技においては、男子短距離のミカイル・ヤコフレフがロシアからイスラエルへと国籍を移し、『2022UCIトラックチャンピオンズリーグ』などに出場していた。

トレーニングを行う場所やコーチなど、異なる環境からの出場となったが、総合9位の結果を残している。

参照:UCIトラックチャンピオンズリーグ

自転車競技でもロシア・ベラルーシに特別措置、ウクライナ自転車競技連盟には支援を/IOCの発表受けUCIも決断

全ての選手・スタッフへのリスペクトを要求

Men's Madison, 2022 Track World Championships, Saint-Quentin-en-Yvelines, France

2023年1月27日現在、ウクライナ情勢をめぐる新たな公式見解を発表していないUCI。

言い換えれば、2022年3月1日の発表がUCIの公式見解として依然有効となっているのが現状だ。

今後UCIによる新たな声明が発表されるかは不明だが、UCIは2022年3月1日の発表にて、以上のような厳しい措置を講じた一方、主催者・観客・選手に対し、

「レースへの参加が正当に認められた、ロシア・ベラルーシの選手たちを尊重すること」

を呼びかけている。

参照:UCIリリース(2022年3月1日)