国際オリンピック委員会(IOC)の理事会はウクライナ情勢をめぐり2023年1月25日、ロシア・ベラルーシ国籍を持つ選手に対する今後の措置や、ウクライナに対するサポート体制などについてを発表した。

公式発表までの経緯

今回の公式発表は、2022年12月9月に開催された「オリンピックサミット」での結果を考慮したもの。

本サミットには、オリンピック・ムーブメント*に関わるステークホルダーや、国際パラリンピック委員会(IPC)の代表者が出席。「ロシア・ベラルーシ国家・政府に対する制裁の継続」に多くの賛成が集まった。

これを受けIOCメンバーと各国際競技連盟(IF)、各国内オリンピック委員会(NOC)、選手代表らによる会議が2023年1月17日・19日に行われ、今回の発表に至った。

オリンピック・ムーブメントとは?JOC

オリンピックサミット(IOCリリース・2022年12月9日)

議題は主に3つ

今回の発表は主に以下の3つのテーマに分かれている。

①ロシア・ベラルーシ国家・政府への制裁
②ウクライナの選手・オリンピックコミュニティとの団結
③ロシア・ベラルーシ国籍を持つ選手個人への救済

①ロシア・ベラルーシ国家・政府への制裁

2カ国に対する制裁措置に関しては、以下のような既に執行されてきた制裁を継続していくことに、全会一致の賛成が集まった。

◯ロシア・ベラルーシの国際競技連盟(IF)および国内オリンピック委員会(NOC)が関わる国際大会の開催を禁止する。

◯旗・歌・色など、大会・会議の会場でロシア・ベラルーシに関連する表示・展示・掲載などを禁止する。

◯ロシア・ベラルーシ国家・政府関係者による国際大会・会議への出席を禁止する。

②ウクライナの選手・オリンピックコミュニティとの団結

依然厳しい状況に置かれているウクライナの選手・NOCに対するサポートについても、継続していくことを発表。今後はさらに強化していくことが求められた。

◯ウクライナのNOCが「2024パリオリンピック」「2026ミラノ・コルティアオリンピック(冬季)」に全力で挑めるよう、ウクライナの選手・オリンピックコミュニティへの全面的な揺るぎない献身性を継続し、今まで以上に強化していく。

◯ウクライナ選手による各国際大会への出場、それに向けた準備・トレーニングの実現に向け、全IF・NOC・大会主催者が最大限にサポートしていく。

③ロシア・ベラルーシ国籍を持つ選手個人への救済

ロシア・ベラルーシ国籍を持つ選手個人に対する措置については、2023年1月17日・19日の会議にて出席者の大半から以下のような意見が挙げられた。

◯特に分断・紛争・戦争が発生している状況下では、オリンピック・ムーブメントへの団結を強くし、積極的に団結に向けた働きかを行なっていく。

◯オリンピック憲章に則り、差別することなく、全選手の権利を尊重する。また、各国政府は各大会に出場する選手を制限してはならない。

◯全選手の大会への出場機会が、選手の国籍によって制限されてはならない。

◯各選手による各大会への出場については、厳密な条件をさらに模索していくべき。

◯「厳密な条件」の具体例

各大会に出場する選手は

・それぞれの主義主張、団体を代表することなく、中立的な立場を取らなければならない。

・オリンピック憲章を遵守しなければならない。特にウクライナにおける戦争行為に対し、積極的な賛同・支援を行うなど、IOCのピースミッションに背く行為を行なってはならない。

・アンチドーピング規定とそれに付随するルールや規定を遵守しなければならない。

◯適正基準への尊重を欠いている選手、以上の厳密な出場条件への尊重を欠いている選手がいた場合、各IF・大会主催者は、大会からそれらの選手を直ちに除外し、以降の大会への出場権を停止し、IOCに対しレポートを提出しなければならない。IOCはこのレポートとともに、その後の措置や制裁についてを検討する。

◯アジアオリンピック評議会が、アジアで開催される各競技大会への出場機会を、ロシア・ベラルーシ選手に対し提供していくことを歓迎し、感謝する。

参照:IOCリリース(2023年1月25日)

UCIによる発表は?

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