2月1日〜5日の期間、タイで開催されているマウンテンバイクアジア選手権。初日に行われたクロスカントリーチームリレーにて、日本チームが2位に3分以上の差をつけ初優勝となった。

マウンテンバイクアジア選手権

日時:令和2年2月1日〜2月5日
会場:タイ チェンライ

レースレポート

以下、鈴木雷太ヘッドコーチによるレポート。

「例年より早い開催のアジア選手権だが、2月のタイ チェンライは乾季で、この国でマウンテンバイクレースを行うにはベストシーズン。日本チームはコロナウィルスの流行に厳重に注意しながらの渡航開始となった。

朝は10度を下回り日中は軽く30度オーバーの気温で寒暖の差が激しい中、特設コースを試走し大会一日目を迎えた。初日はXCR(チームリレー)と、DHI(ダウンヒル)のタイムドセッションが行われた。」

「定位置」からの脱却、XCR(チームリレー)

1走:北林力(男子U23)
2走:今井美穂(女子エリート)
3走:川口うらら(女子U23)
4走:松本一成(男子ジュニア)
5走:山本幸平(男子エリート)

「XCRはXCOの前に行われる、各選手1周を5名で走るレース。「本番に向けて体力を温存したほうがいいのでは?」とよく質問を受ける。

確かにそのような準備方法もあるが、男女各クラスを配置しなければならないレースとなるため、自国のレベルを各国と比較するのに最適で、XCOに向けてのコンディションチェックと、ライバルとの差を見て戦略に役立てるなど、大きな意味もある。

日本はアジア選手権では2位が定位置となっているので、今回も「優勝」を目指してのレースとなった。

スタートは男子U23の北林力。「まずは落ち着いて走ること」「1つ目の長い坂が終わるころには最低2番手以内にいること」のオーダーを出した。スタート後落ち着いた走りをしてくれ、最初の坂が終わるころにはトップに行き、2位イランに55秒差で女子エリートの今井美穂に交代。

今井は男子ジュニアのタイの選手に抜かれながらも2位で戻ってきて、女子U23の川口うららに交代。3人目は各国男子を起用で、トップのタイは女子エリートを配置。ここで差が出てしまうが、タイ、イランに続き3位を死守しながら4位のカザフスタンとほぼ同時に戻ってきてトップタイとの差は2分40秒。

4人目は男子ジュニアの松本一成。カザフスタンは男子エリートだが負ける相手ではないので「引き離さずに一緒に走りトップとのタイム差を縮めること!」のオーダー。最後の登りまで一緒に走り、アタックをしてアンカーの男子エリート山本幸平へ。

一緒に入ってきたカザフスタンは女子U23の選手で、最初の登りで独走となり2位カザフスタンに3分以上の差をつけ初優勝となった。」

コース慣れしたタイが優勝、DHIタイムドセッション

ダウンヒル出場選手:
九島勇気 (神奈川 玄武/Mondraker)
秋元拓海 (福島 KONA RACING TEAM)
羽口鉄馬(京都 アールズサイクル)

「午後はDHIタイムドセッションが行われた。
ホスト国のタイナショナルチームは1か月前よりこのコースを毎日走りこんでいたそうで、スピードの乗りが異次元であり、コース慣れしていた。

日本チームは短い試走時間でどこまでベストラインを見つけられるかがポイントであり、オフィシャル搬送は使わずにチームカーを使い、出来る限り試走の回数を増やしてタイムドセッションに臨んだ。

結果は予想通りタイがワンツーで、日本勢は6位九島勇気、10位秋元拓海、11位羽口鉄馬となった。

タイムドセッションでもミスもあり、明日の午前中の試走で修正してから、午後の本番でベストランが出来るようにしていきたい。」

JCF マウンテンバイクヘッドコーチ
鈴木雷太

(TEXT:JCF