日時 令和元年9月4日-9月8日
会場 アメリカ スノーシュー ウェストバージニア州
9月8日の最終日はXCO男子U23と男子エリートが行われた。前日の監督会議でのラップタイムの予想は10分前後だったがその後意見が分かれたため、男子U23は7周で行いその結果を踏まえてエリートの周回数をコミュニケで発表することになった。
【男子U23】
男子U23は平林安里がエントリー。コースはヨーロッパと比較するとスキル的には容易であるが、標高が1500mと比較的高い事と、ロックガーデン等でのパンクリスクの心配があった。
スタート直後は左左と2回連続で曲がっていくので、右側大外からスピードを乗せて前に行く作戦でスタート。最初の左コーナー前で前列の選手が接触をしてバランスを崩す。落車は避けたが集団に埋もれたままレースが始まった。
40番手ほどでレースを進める。行けるところで前に出ようとプッシュするが、今回のコースは踏みどころが少なく集団は一列棒状に。何度かのトライが逆に仇となり、ペースを落として50番手ほどに位置する。目の前に見える集団を常に追い続ける形でレースを進めたが、最終的に50位で終えた。
【男子エリート】今期最高位を獲得
男子エリートの周回数は男子U23のラップタイムから9周と発表された。
まさかの発熱
平林のレースを終えていったん宿舎に戻ったところ、山本はまさかの発熱。微熱ではあるが辛そうにベッドに横たわっていた。いつものリズムから全てを身体との対峙して決めるように心がけ、落ち着いた時に少しだけ食事を口にした。
その時点でリタイヤの選択肢もあったが、最後まであきらめないよう様子を伺った。食後1時間ほどの仮眠を取ると、熱こそ下がらなかったが「少し体が楽になり頭痛は収まってきた」との事。
80%ルールでゴールになっても3ポイントは貰えるルールの為、スタートだけはしてみようと決断。時間ギリギリで宿舎を出て軽いウォーミングアップだけでスタートラインに。「とにかく無理はしないで、ゆっくりと後ろから走っていこう。行けたら少しでも周回するように。」とアドバイスをしてスタートを見届けた。
自分の経験上、風邪や発熱は症状が出たしたときは思っている以上に走れる事があるため、少しでもポイントを取れるようにと望みをかけた。
力強さを取り戻す
1周目は集団後方で戻ってきた。先ほどまでの弱々しい病人の顔とは別人の集中力を増した顔で走っている。「これはもしかしたらある程度走れるかもしれない」と思った。
2周目は60番手ほどに下がってしまったが、まだ集団。3周目はまた前に上がってきており、ペダリングも少し力強さを増していた。徐々に体のスイッチも入りだしラップタイムも右肩上がりで順位を上げ、最後は39位でのゴールとなった。終わってみればWCにて今期最高位という素晴らしい結果であった。
今回の大会は7月の全日本選手権からの連戦続きであり、またカナダからの移動の飛行機のキャンセルやアメリカへ来てからのスタッフ不足で負担も多く、風邪をひいてしまったようだ。しかしながら、今までの成果と経験がうまく融合して今回の結果に繋がっていると感じた。
今シーズンで得た課題をこの冬にしっかりと克服し、2020東京に向けてJapanチームとしてレベルアップを図っていきたい。ご声援ありがとうございました。
TEXT:JCF
(JCF強化スタッフ MTBヘッドコーチ 鈴木雷太)