“信じるべきは平原さん” 大先輩、平原康多選手と出場
Q:埼玉からは先輩である平原康多選手も出場を決めていますが、そのことについては?
プレッシャーも感じますが、平原さんと一緒に出場出来ることは、とても心強いです。
Q:これからグランプリに向けてどのように調整されますか?
練習を通じてコンディションを調整します。基本は平原さんと一緒にやります。特別なトレーニングは特にしておらず、バンクに行ってもがく、ウエイトをやる、という流れです。
平原さんのおかげで、練習の強度はどんどん上がっています。練習内容はナショナルチームの脇本選手と平原選手の仲が良いので、脇本選手から教えてもらったナショナルチーム流のトレーニングを組み込んで行うような感じです。でも詳しい練習内容は秘密です(笑)
Q:フレームのトップチューブへ刻まれた言葉の意味は?
これは自分の感覚を信じるのではなく、平原さんを信じろ。そういう意味でフレームに言葉を入れています。
強くなれた理由、コロナ禍の状況で大幅アップデート
Q:宿口選手が今年G1を取れた理由・秘訣はなんだとご自身で思いますか?
話は遡るのですが、2年前ぐらいの寛仁親王牌の最終日に、平原さんとレースがありました。関東は2人だったのですが、僕が前を回りたかったので「前をやらせてください」と平原さんに伝えました。
でも「ダメだ」と言われて……その理由は、シリーズを通して自力出せるところで出さず、出し惜しみするシーンがあったからです。平原さんからは「俺は自力屋だから、そういう奴の後ろにはつけない」と言われて、その時は僕が後ろで走りました。
そのレースをきっかけに、これではダメだなと思い、レースに対する気持ちの入れ方が大きく、本当に大きく変わりました。
加えて新型コロナの影響で2ヶ月ぐらい競走が無い時期がありました。その時に平原さんが「強くなるなら今だ」と。
その2ヶ月でどれだけ自分を強くできるか。平原さんの一言があって、一緒にやっていた全員が自転車のこと、シューズとかセッティングとか、ありとあらゆるものを試しに試し、練習に打ち込む期間となりました。
競輪競走は出来ないけれど、その期間のモチベーションは上がりっ放しで良い練習もできました。
競輪選手はオフも無く、普段まとまった練習をすることが難しいので、集中して強くなるために有意義な時間となりました。その後から脚力も上がった感じがします。今年G1を獲れたのは、そういった積み重ねで、たまたま獲れたという感じです。
タイトルは獲らせてもらいました。関東勢の若手の頑張りにつきます。全員で獲りました。僕の優勝ではありません。
チーム平原として優勝を狙う
Q:関東からは「レースに対する想いが強い人」が出ているのでしょうか?
基本的にみんな、想いは強いです。そして平原さんのやることを追っています。”チーム平原”、そういうのは本人は望んでいないと思いますが、自然と若手が集まってきますよね。
Q:グランプリに出場する上での気持ちは?
せっかく9人に選ばれたのでもちろん優勝は狙います。出場者は全員が優勝を狙ってくると思います。もちろんそのつもりで練習もします。
後半は自転車を始めたきっかけ、宿口選手から見るナショナルチームなどの話題をお届けする。