日本女子中・長距離の「絶対的存在」である梶原悠未。2019-20シーズンのワールドカップでは第3戦・第4戦と連続優勝を飾っている。現在最も勢いのある日本人女子選手だ。
梶原は2017-18シーズンのワールドカップでも2戦連続の優勝を果たしており、今回の勝利は約2年ぶりの金メダル。梶原にとってというだけでなく、日本ナショナルチームの女子中・長距離選手がワールドカップで金メダルを獲得したのも約2年ぶりだ。
【詳報】「今日のレースは100点満点」梶原悠未が2大会連続の金メダル獲得/女子オムニアム・2019-2020トラックワールドカップ第4戦
自身4度目のワールドカップ制覇となった梶原。既に世界トップクラスの仲間入りを果たしている彼女だが、トラックワールドカップ第4戦の勝利では涙を浮かべた。本記事では涙に至った金メダルの「凄さ」について、他の選手の実績を交えて解説してゆく。
梶原が倒した強豪達
梶原は2019-20シーズン第4戦のオムニアムで金メダルを獲得した後のインタビューで「今まで敵わなかった選手たちと一緒に戦って勝てたことが嬉しい」と語っている。
その中で名前が上がったのがジェニファー・バレンテ(アメリカ)とアリソン・ベバレッジ(カナダ)の2人だ。彼女らはどのような選手なのだろうか。
ジェニファー・バレンテ(アメリカ)
2016年から2018年までの3年間で世界選手権のチームパシュートを3連覇しているアメリカ女子中・長距離界のトップ選手。リオオリンピックではチームパシュートにて銀メダルを獲得。オムニアム・スクラッチ・ポイントレース・マディソンにて国内選手権4冠も達成している。
2019-20シーズンのワールドカップでは第1戦と第5、6戦のオムニアムで優勝、さらには第1戦のポイントレースとチームパシュート、第6戦のチームパシュートでも優勝と、今シーズンは既に金だけでも6つのメダルを獲得している。
昨年度世界選手権のオムニアムでは3位に、また昨シーズンのワールドカップでは4度表彰台に上がっており、実力のみならず安定感も抜群の選手である。
アリソン・ベバレッジ(カナダ)
2019-20シーズンのワールドカップではオムニアムとチームパシュートで合わせて4つのメダルを獲得。また、2018-19シーズンは計6つのメダルを獲得し、過去の世界選手権ではチームパシュートとスクラッチで3位以内に食い込むなど、国際大会における表彰台常連の1人。
リオオリンピックでもチームパシュートで銅メダルに輝いており、バレンテと並んでアメリカ大陸のニ大エースといえる存在だ。
その他にも、チームパシュート世界チャンピオンであるジョージア・バーカー(オーストラリア)や、チームパシュートとオムニアムで世界選手権メダル獲得経験のあるラシュリー・ブキャナン(ニュージーランド)などの強豪を倒しての金メダル。それが第4戦の涙の金メダルの意味だった。