「自転車競技者層の裾野拡大」をテーマに、JKAの補助事業の一環として全国各地の競輪場で毎年複数回実施されている「トラックサイクリングキャンプ」。
2025年8月14日〜16日にかけて、日本競輪選手養成所で開催された本イベントに編集部が潜入。その模様をレポートしていく。

未来へのリハーサル

今回の会場となったのは、競輪選手を目指す候補生たちが日々汗を流す日本競輪選手養成所。
候補生たちの夏期帰省に合わせての開催で、校舎や宿舎、食堂なども使用して、2泊3日で実施された。

中学生から30歳までの女性を対象に募集されたこのイベントには、先のインターハイで2種目制覇した鶴葵衣さんをはじめとした競技経験者だけでなく、ピストバイク初心者も多く参加。
トレーニング前には、参加者同士が声を掛け合いながら準備を確認し合う姿が多く見られ、自然なコミュニケーションが生まれていた。

初めてのバンク、初めての高揚

このイベントでは、ピストバイクの乗車経験やバンク走行の有無に応じて参加者を3つにグループ(A、B、C)に分け、それぞれに最適なトレーニングを実施。

初心者クラスへの講習では、バンク走行に必要な基本姿勢やブレーキのない車体での減速方法、ペダリングのコツなどが丁寧に解説され、参加者たちは真剣な表情で耳を傾けていた。

基礎を学んだ後は、いよいよバンクでの走行練習がスタート。
初めてのバンクに緊張する様子も見られたが、講習で得た知識を活かしながら、徐々にスムーズな走行を見せる参加者も多く、短時間での成長が感じられる場面もあった。

入所試験と同じ条件で

一方、経験者グループのメニューは、日本競輪選手養成所の入所試験(技能試験)で実施される助走ありの200mタイムトライアルや、500mタイムトライアルなど。

技能試験でも使用されるバンクを舞台にした実践的な測定会で、養成所の入所を考えている方にとっては、予行演習ともいえる体験となった。

走行後には講師からのフィードバックもあり、自身の課題を明確にする機会となったようだ。

沼部早紀子氏の講演

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