引き継いだバトンを受け渡す時が来た

Q:レースを終えた感想は?

疲れましたね。会場のアナウンスでも10連覇が掛かっていると言っていたので、周りから変に期待されてるっていうのは何となく判ってはいたんですが・・・、できるだけ考えないようにはしていました。

Q:決勝は3本目までもつれましたが、どのようなレースでしたか?

2本目で自分が犯したミスを冷静に振り返れて、3本目も2本目と同じく内側からスタートだったので、前のレースで犯したミスを修正して自信を持って戦えば、まあ何とかできるかな、と思ってレースをしていました。

Q:ご自信にとって10連覇はどういう意味を持つものなのでしょうか?

“日本”タイトルの10連覇っていうのは、そんなに大きなことではないかもしれません。でも私は11回出場していて、そのうちの10回で優勝して、毎年怪我もせずコツコツ積み上げてきた数字だと思うので、今後の自分にとっても自信になる数字なのかなとは思います。

Q:今後はどのように世界と戦っていきますか?

実は、今日で引退します。

チームとはもう話をしてあって、今回を最後にしようと思って大会に臨んでいたので・・・。最終的にはナショナルジャージを獲得できて良かったと思います。今後はコーチとか、まだちょっと決めきれてないですけど、このスポーツに育ててきてもらって、ナショナルチームに入って10年になりますが、しっかり恩返しというか、自分だからこそできることをしっかり探して、日本の自転車競技を別のところから支えられる人になりたいなと思います。

Q:前田選手が自転車競技で学んだこととは?

勝ちも負けも経験して、色んなところに連れていってもらって、本当にいろいろな方との縁があっての自分なので・・・。本当にたくさんの縁を与えてもらって、その縁があってこその今の自分だと思っています。ここまでやってきたのも、自分が後を任せられる選手が出てくるまでは何とか頑張ろうと思ってやってきた部分があります。今はしっかり2人(小林優香選手と太田りゆ選手)がいるので、あとは2人に任せて、私は私で自分のできることをやって、また頑張っていこうと思います。

Q:引退を決めたのはいつでしょうか?

アジア大会がひとつのきっかけではありましたけど、ある程度は今に至るまでに考えてはいたことでした。でもアジア大会で決心が付いたというか、それに今のナショナルチームの女子2人なら、自分が抜けてもしっかりやっていってくれるという確信があるので、私が石井寛子さんから引き継いだバトンを、今度は2人に引き継いでもいい時が来たのかなと思いました。

突如引退を発表した前田佳代乃、更なるインタビューは別記事で公開の予定です。

順位 名前 チーム 1本目 2本目 3本目
1 前田佳代乃 京都府自転車競技連盟 11.704 11.665
2 太田りゆ TEAM BRIDGESTONE Cycling 11.567
3 岡本二菜 スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ 12.507 12.109
4 西島叶子 Ciel Bleu 鹿屋