前田佳代乃インタビュー“10連覇チャンピオンの引退”が意味するもの

「引退だからって勝ちは譲れない」

2018全日本選手権トラック女子スプリント

Q:有終の美を飾った、ということだとは思いますが、太田選手には逆に勝ってもらいたかった、とかそんな気持ちはありますか?

ちょっとはあります。でも自分としても勝ちは譲れないし、周りから見られているということもあるし、全日本は毎年すごいストレスを感じていて、無様なレースはできないと思っていました。

前田佳代乃

ナショナルチームに残った2人には、私が行けなかった、見られなかったところまで行って欲しいし、ちゃんと責任を持って次の世代が出てくるまでは続けなさいよって言いたいです(笑)。私の場合は、りゆと優香が出てきたから、もういいでしょ?

太田りゆ

日本ナショナルチーム女子たち

Q:あの2人が出てこなければ、もしかして・・・辞められなかったかもしれないと?

かもしれないです。

Q:女子のトラック短距離競技の第一人者として、過去を振り返るとどうでしょうか?

自分が始めた頃はチームの中に女子は一人、そんな状態で海外遠征へ行ったり、誰からも何も教われなくて、本当にすごく辛い時期もありました。今はチームが大所帯になり、取り巻く環境も、チーム自体もどんどん変わっていくのを最も近い場所から見てきました。

長いことナショナルチームに参加させてもらって、最後にこのチームで本当に良かったなと思っています。

日本ナショナルチーム短距離

Q:心に残るレース、例えばこれだけは忘れられないレースなどは?

ブノワコーチが来てから最初のアジア選手権(インド)で、初めてケイリンで銅メダルを獲ったんです。あの時の自分はちょっといつもと違っている感じがして、なんか「できるかも!」とか「イケるかも!」ってワクワク感を持ちながら走れたレースだったのを覚えています。

500mタイムトライアルでは表彰台に上がっていましたが、個人のレース種目でやっとアジアでメダルが獲れた時だったので、殻をちょっと破れた時だったのかなと思います。スプリントでは何回も4位だったんですけど、やっぱり表彰台には上がっていませんでしたし。

切り拓いた道、大変だけど上に行けば行くほど面白い

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