全国各地の競輪場で毎年数回行われている「トラックサイクリングキャンプ」。2023年8月11日〜12日の2日間、12歳から30歳までの男性を対象とした「トラックサイクリングキャンプ in 立川競輪」が開催された。
本イベント1日目に潜入した編集部が、トラックライクリングキャンプの模様をレポートしていく。
キャンプ1日目に潜入!
2023年、これまで開催されてきたトラックサイクリングキャンプへ取材を行ってきた編集部。しかしキャンプ初日に潜入するのは今回が初めてだ。
会場となる立川競輪場へ続々と集まってくる参加者たち。今回も中学生から20代後半の社会人まで、幅広い年齢層の参加者が集まった。
到着した参加者にはまず、自分のサイズに合ったシューズ、ヘルメット、ピストバイクが無料で貸し出される。
そして選手控室*にて行われた開講式にて、2日間に渡る「トラックサイクリングキャンプ in 立川競輪」がスタートした。
※選手控室:競輪開催時に競輪選手がレース前後に待機等をする場所
初めてのピストバイク
2日間のトレーニングプログラムは、AとBの2つのグループに分かれて行われる。
Aグループはピストバイクに乗ったことがあり、バンク走行経験もある「経験者グループ」。
Bグループは今回初めてピストバイクに乗る参加者や、乗ったことはあるがまだ自信のない参加者などの「初心者グループ」だ。
キャンプ初日に初めて潜入した編集部員は、ピストバイク初心者の参加者たちが「どのようにして乗りこなせるようになるのか」「1日でどれくらい乗りこなせるようになるのか」に注目してみた。
運動靴でゆっくり漕いでみる
初心者グループの最初のトレーニングメニューは、運動靴での走行練習。
競輪やトラック競技で使用されるピストバイクは、ギアが空転しない「固定ギア」が付いていて、さらにブレーキが付いていないのが特徴。
空転しない固定ギアでは、ペダルを前に漕げば車輪が前に回り、後ろに漕げば車輪も後ろ方向に回る。ペダルの回転と車輪の回転が完全に連動する構造だ。
すなわち加速も減速も、スピード調節はペダリングのみで行わなければならない自転車なのだ。
普段乗る自転車と全く違うピストバイクに慣れるために、まずは運動靴でペダルをゆっくり漕いでみることからスタート。
初心者グループの参加者たちは、バンク内の広場を左回りにゆっくり周回。
少し慣れてきたら立ち漕ぎをしてみたり、一度止まって再発進してみたり、ダイレクトなペダリングの感覚を掴もうと試行錯誤していた。
ビンディングシューズに挑戦
運動靴でピストバイク特有のペダリングに慣れてきた参加者。お次はビンディングシューズでの走行に挑戦。
シューズをペダルに固定することができ、より効率的なペダリングが可能になるビンディングシューズだが、立ち止まる際には、ペダルに固定されたシューズのロックをカチッと解除しなくてはならない。
上手く脱着ができないと、ペダルにシューズが固定されたままバランスを崩し、倒れてしまうこともある。
まずは片足ずつ入念に脱着の動作を繰り返し練習することが重要だ。
コーチのアドバイスとともに脱着の練習を重ねた参加者たちは、ビンディングシューズでもスムーズに自転車に乗り降りできていた。
バンク内広場でゆっくり走った後は、バンク内側に設置された楕円形の遊歩道で少しスピードを出して走る。
徐々にバンクを周回するスキルとイメージを高めていく参加者。
「ピストバイク×ビンディングシューズ」での加速・減速にある程度慣れたら、今度はバイクコントロールを磨く「スラローム」のトレーニング。
もう一度運動靴に履き替え、配置されたコーンをジグザグに走ってみる。
スピード調節とともに「ハンドリング」や「重心移動」のスキルも鍛えられるトレーニングだ。
ついにバンクの上へ!
運動靴からビンディングシューズへ、直線からスラロームへ、1時間半ほどのトレーニングで徐々にピストバイクを乗りこなせるようになってきた初心者グループは、ついにバンク走行練習へシフト。
先導するコーチの後ろをゆっくり走り、まずはほぼ平らな「退避路」を周回。
ゆっくりではあるがコーチと一緒に周回を重ねる参加者たち。バンクに慣れてきたところで午前の部が終了した。
ピストバイク初心者の方でも、午前中の数時間でバンクを走れるようになる。午後の部、そして2日目を通して、どれほど成長できるのか選手と一緒にワクワクする編集部員であった。