佐藤水菜 vs 児玉碧衣 頂上決戦

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佐藤水菜の歩み

軽音楽部だった高校時代を経て、高校卒業後に日本競輪学校(現:日本競輪選手養成所)に入学(2017年)。2018年にプロデビューすると、デビュー2年目でガールズグランプリに出場を果たす。2019年、2020年とガールズグランプリに出場。

そして2020年の夏にはナショナルチームにも入り、2021年の世界選手権では世界選手権デビューの大会では見事にケイリンで銀メダルを獲得。

完全覚醒した2022年は国内で無敵の強さを見せ、世界選手権では2年連続となる銀メダルを獲得。まだ国内でも、海外でもトップには輝いていないものの、“トップ”に最も近い選手といえる。

どんな展開にも強い佐藤水菜

佐藤水菜, SATO Mina, JPN, シェーン・ブラスペニンクス, BRASPENNINCX Shanne, NED, エルレス・アンドリュース, ANDREWS Ellesse, NZL, リー ソフィー・フリードリッヒ, FRIEDRICH Lea Sophie, GER, マチルド・グロ , GROS Mathilde, FRA, ステフィー・ファンデルピート, van der PEET Steffie, NED, Final 1-6, Women's Keirin, 2022 Track World Championships, Saint-Quentin-en-Yvelines, France

オールラウンダーとしての強さが挙げられる佐藤。ナショナルチームで鍛えられた佐藤は先行も強く、捲っても強い。

更にガールズケイリンは男子と異なり国際レース色が強いため(カーボン製の機材使用、ラインが無い、過度のけん制の禁止)、単純に強い者が勝てることも理由として挙げられる。

ただし、競輪の“強さ”は単純な脚力でなく、スピード、戦術眼、選手同士の駆け引き、位置取り、メンタル、そして運など、様々な要素が複合しての“強さ”となる。だがこれらの要素を考えても、世界選手権の決勝で活躍している佐藤に欠点は見つからない。

自転車競技で得た自信

リー ソフィー・フリードリッヒ, FRIEDRICH Lea Sophie, GER, 佐藤水菜, SATO Mina, JPN, ステフィー・ファンデルピート, van der PEET Steffie, NED, Women's Keirin, 2022 Track World Championships, Saint-Quentin-en-Yvelines, France

直近の世界選手権では2年連続でケイリン世界チャンピオンとなったリー ソフィー・フリードリッヒとガチンコバトルを繰り広げ、世界の頂点を争うレースであと一歩という展開だった。自身が初めて世界に挑戦した2021年を経て、2022年は明らかな成長を見せ、その成長した力が佐藤に自信を与えていることは間違いない。

本人もガールズグランプリ直前のインタビューでは「今年1年は、競技の方でアジアチャンピオン(ケイリン)になることができたり、全日本選手権でも出場した全種目で優勝することができて、自分のなかで大きな成長を感じられた1年になりました」と語っている。

もちろんガールズグランプリは7人での勝負となり、レースは何が起こるか分からない。しかし今の佐藤水菜に死角は無い。そう思えるほどに強くなったと筆者は感じている。

3度目の正直

佐藤水菜, 前検日, KEIRINグランプリ2022, ガールズグランプリ, 平塚競輪場

佐藤自身はガールズグランプリ2019、2020と出場し、それぞれ順に4着、6着で終えている。2022年、今回の出場は3回目となるために、不慣れなことは行わないだろうし、調整に失敗することもないだろう。

改めて、実際のレースではどんなことが起こるか分からない。だが佐藤のこれまでの歩み、そして今年1年の成長を見てきた限り、期待せずにはいられない。 運命のレースの結果に期待したい。

佐藤水菜「いつもと変わらず全力で」/ガールズグランプリ2022前検コメント