トラック世界選手権2018の最終日、ハイライトは女子ケイリン決勝。絶対女王のフォーゲルを下し、超満員の会場を沸かせたのはベルギーのニッキー・デグレンデル。若干21歳の新女王が誕生した。
ケイリンとは
トラックを全6周。最大7人で行われるレース。最初の3周はペーサーと呼ばれる誘導員が先頭を走って集団のペースを上げる。4周目からはペーサーが退避して(この時、時速50kmまでスピードが上がる)、選手たちによるハイスピードのスプリント勝負が行われる。6周の先着を争う。
決勝
24人、4組(各組6人)に分かれた女子ケイリン決勝。「スプリントの女王」の今大会3つ目の金メダル、そして史上初の12個目の金メダル獲得を期待されるクリスティーナ・フォーゲルが優勝を狙った。
今大会は1回戦が4組。2着まで2回戦(準決勝)へ。敗者はすべて敗者復活戦へと回り、敗者復活戦で1着のみが2回戦へと進む。2回戦は2組。各組3着までが決勝へ。残りは7-12位決定戦へと回る。
決勝へと進んだのはこの6人。
チーム | 選手名 |
---|---|
ベルギー | DEGRENDELE Nicky |
ドイツ | VOGEL Kristina |
香港 | LEE Wai Sze |
リトアニア | KRUPECKAITE Simona |
オランダ | BRASPENNINCX Shanne |
オランダ | van RIESSEN Laurine |
フォーゲルが世界タイトル12個目を手にするのか?その瞬間を期待していた観衆に、大きな衝撃が走った。ペーサー退避した残り3周。フォーゲルは5番手の位置から前に出れない。
残り2周。ブラスペニンクスが先頭、すぐ後ろにデグレンデル、3番手にはクルペツカイテ、そして後ろには内側からファンリーセン、李彗詩、フォーゲルと並走。
ラスト1周を迎えても前に出ることができないフォーゲル。先頭はブラスペニンクス、そして外から並びかけるデグレンデル。その後ろにはいつの間にか李彗詩が迫る。
最終4コーナーを回り前に出きったのはデグレンデル。勢いそのままフィニッシュし、優勝を果たした。2着は李彗詩、3着は最後に追い上げたクルペツカイテ。女王と呼ばれたフォーゲルは最後まで前に出ることができず、最後尾の6着で終えた。
デグレンデルはゴール後しばらく自身の勝利を信じられず、スクリーンへ映された自身の名前を見て驚いた様子で顔を覆った。