JR目黒駅から徒歩約3分の位置にある自転車文化センター。
約12,000冊の書籍や希少な自転車、部品やポスターなど自転車に関する資料を所蔵・展示しており、しかも見学は無料*。
※一部資料の利用は会員登録必要(詳細はホームページにて)
この隠れた好スポット、意外とご存知ない方も多いのではないだろうか。
自転車好きにとってありがたすぎるこの施設の正体はなんなのか。同センターの岩井卓典さん、森下昌市郎さんに話を聞いた。
図書館と博物館を足して2で割ったような施設
Q:そもそも「自転車文化センター」は、どういった施設なのでしょうか?
森下昌市郎(以下、森下):日本自転車普及協会が運営する「情報提供施設」という立ち位置になります。図書館と博物館を足して2で割ったような施設、とイメージいただくといいかもしれません。
所蔵している資料は一般の方向けに公開していますが、自転車の歴史、あるいは自転車に関わる人々の歴史の資料が散逸しないよう、集積して所蔵する拠点としての役割も持っています。
Q:情報を集め公開することで、より広く自転車の魅力や文化を広めていこう、という目的ですか?
森下:日本自転車普及協会としては、「自転車が果たす社会的な役割を広く一般に啓発すること」を目的として掲げています。たとえば、毎年5月に『サイクルドリームフェスタ』を開催したり、自転車を安全に利用するための講習会を開いたり。その大きな目的のひとつとして、ここを情報発信の拠点としています。
「競輪の補助事業」だからこそできること
Q:貴重な資料の数々を常設で展示しているだけでなく、「企画展」のような形でさまざまなテーマで展示を行っていますよね。
岩井卓典(以下、岩井):自転車は生活に深く溶け込んでいますが、身近なもののわりに知らないことが多いですよね。そんな自転車の魅力を伝えていきたいという想いがある一方、ただ「書籍や実車を見て下さい」というだけでは、なかなか伝わらない。旬な情報を展示することで、より広く知ってもらおう、という試みです。
森下:ただ展示するだけでなく、その背景やストーリーをしっかり提示しないと伝わらないですからね。
岩井:しかしながら、そういった試みは自主財源だけでは難しいのも事実。そこで、「競輪の補助事業」制度を活用しています。先ほどお話しした『サイクルドリームフェスタ』のほか、『Tour of Japan』の主催なども、補助事業として行なっています。
「お墨付き」なので安心して利用してもらえる
Q:補助事業として金銭面での助けを得ることで、さまざまな展示や催しが実現しているんですね。
岩井:補助事業として実施するには、公益性の高い事業であることが必要です。逆にいえば、実現したものは「公益性が高い」というお墨付き、ということ。この施設は自由研究のために訪れるお子様や、レポートを書くために訪れる学生も多いので、安心感を抱いてもらえる。金銭面だけでない効果も感じますね。