日本で唯一のトラック中長距離日本代表・UCIトラックチーム所属(チーム楽天Kドリームス)・現役大学院生として、3足の草鞋を履きながら活動する古山稀絵(チーム楽天Kドリームス)。

2021年5月中旬に行われたネーションズカップ香港大会では個人パシュート銀メダル、マディソン銅メダルを獲得。大会から帰国し、感染拡大防止のための隔離期間中、オンラインでインタビューを行った。

前回のインタビューはこちら。

「目の前のチャンスを掴める選手に」古山稀絵インタビュー

Q:大会お疲れ様でした。帰国してからどうですか?

2週間外出禁止で隔離されています。鬱になりそうですよ(笑)。外に全く出られない日々もあと2日です。チームスタッフが色々届けてくれる話もあったんですが、男子と女子でも住んでる場所が離れているのでそれも難しく、買い物もできずにいます。

Q:遠征中も監視など厳しかったようですが、どんな状況だったのでしょうか?

部屋の外に全く出れなかったです。調整など練習自体はオフィシャルのトレーニングの時のみで、あとはずーっと室内。YouTubeを観ながらヨガやストレッチをしてみたり、レース前はレース映像を観てモチベーションを保っていました。

あとは大学院の課題をやってました。修士論文が終わらなくてヤバイです。新型コロナ禍での国際レースは初めてで、移動の全てに制限がありました。

Q:修士論文は大丈夫そうですか?

全く終わらないです。中間発表に間に合えば良いんですけど、中間発表が世界選手権前なので、終わるかどうか・・・。先生と相談しながらやってますが、もう急ピッチですね。

でも論文の内容は選手である自分自身を被験者としていて、これまでのデータを分析するのでどの様に今後に活かせるか楽しみです。

Q:今回の遠征では、出国から帰国まで、一通り終えるまでに何回PCR検査をしましたか?

めっちゃやりましたよ!遠征前、空港、現地の空港に着いてから、そのあと夜、ホテル行く前、その次の日・・・・12回ですね。

Q:鼻に突っ込むやつですか?

そうです。ウェってなるやつ(笑)優しくする人と奥までグサって人もいて。帰国するときに空港でやった人が荒くて、みんな鼻貫通したんじゃないかってくらい。

Q:帰国してから何か変わった事は?

新型コロナの影響で、何もできないですね。家族や後輩から祝福されました。いつもなら祝福会してくれたりするんですけど・・・しょうがないですね。

あ、でも大会から賞金もらえたのが実は一番嬉しいです。換金したとき「メダルを獲ったんだな〜」って実感がありました。

Q:使い道は?

財布入れたら全部使っちゃうので、今はひとまず封筒に入れて、へそくりにしてます。以前買ったヨギボー(ビーズクッション)の分が帰ってきたので、良しって感じです。

メダルは嬉しいけど・・・

Q:では、レースに関する質問です。個人パシュートでメダルを獲得したことは、古山選手にとってどうでしたか?

素直に、メダルを持ち帰るのは嬉しいです・・・が、今回の大会は小規模で世界選手権などと比べるとレベルも高いものではありません。結果よりも自己ベストを更新すること目標でした。メダルは嬉しいけど、記録や走りに対しては満足いかない。悔しい部分もあります。

古山稀絵/Kie Furuyama, Women's Individual Pursuit, TISSOT UCI TRACK CYCLING NATIONS CUP - HONG KONG

以前からHPCJCの橋本(直)さんとデータ分析をしていて、「これくらいの条件なら良いタイムも出せる」と準備してたんですよ。

今、中長距離チームのトレーニングではゲーム系のレースにフォーカスしていて、TT(タイムトライアル)はできる範囲で進めていました。「このペース配分で、このギアで、このタイムなら確実にタイムを出せる」とデータ的に出ていたにも関わらず、タイムが出せなかった。悔しいです。

フルインタビューはチーム楽天Kドリームス チームサイトにてご覧ください。