ブノワコーチとのブレない目的

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個々人でメニューを作る必然性

Q:ジェイソンコーチの考えだと、ジムとトラックのトレーニングの重要度、その比率はどれくらいでしょうか?

私にとっては65%がバイクの上、35%がジムといったところでしょうか。ジムはあくまで「バイク上でのパフォーマンスを補助」するためのトレーニングです。ですからバイクに乗っている時間とジムに費やす時間を考えると、ジムの方が圧倒的に時間は少なくなっています。

1回のトレーニングの時間も短いですし、週に3回の時もあれば2回の時もあります。加えて日本チームは、自転車の上でMAXパワーを上げるようなトレーニングをしています。時間だけで比較すれば、他のチームよりもジムに時間を掛けていないのが日本チームだと思います。

Q:ということは、オランダなど強豪チームはもっと多くの時間をジムトレーニングに割いているわけですね?

そうだと思います。しかし、オランダチームと同じようなトレーニングを行った場合、日本では間違った選択となることが分かっています。

ここまで4年間、日本チームに携わってきて日本人に合ったトレーニングとは何か、それを知識として積み重ねてきました。その結果、自分たちが指導する選手たちにどんなトレーニングが効果的なのか分かっており、全員が各々に合ったトレーニングをしています。各選手が異なった体を持っているので、全員に当てはまるわけではありませんが、オランダチームのようにジムを中心にするようなトレーニングは日本人には好ましくないですね。

Q:そうなると国や人種ではなく、トレーニングは個々を見ていくしかないということですね。

その通りです。全員が異なる身体的特徴を持っています。また怪我の経歴などを知ることも大事です。ファブリースがいて大きく助かるのは、「この選手のこの部分を強化しよう」などとリハビリ的な観点から選手を見て、提案してくれることです。これは私たちにはない視点でした。それに井上さん(理学療法士)は怪我の防止策なども考えてくれます。

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HPCJCでは様々なプロからの視点を盛り込んだ練習を行えているので、選手たちの成長は本当に早いです。これからもっと生産性が上がり、効率も上がっていくことが見込まれます。チームの選手たち、そしてHPCJCは今後さらにレベルが上がっていくでしょう。

ようやくスタートに立った、ここからが勝負

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