元トラック競技のオーストラリア代表、日本の競輪に参加していたため、来日経験もある。彼はその屈強な外見が、元選手のオーラを漂わせる。
「僕はブノワのアシスタントコーチです。基本的な担当はジムトレーニング。現状はどんなトレーニングが効果的かいろいろ試しているところで、誰にどのようなものが最適かを探っています。ブノワの自転車に乗ってのトレーニングと僕のジムトレーニングの組み合わせが上手くいくように励んでいます。」
彼自身の役割を尋ねると、明快に適切な答えを返してくれるあたり、指導者としての実力も垣間見える。
しかし、オフの時間になると、とても愉快な男に変わる。カメラを向ければ変顔をし、冗談が飛び出す。
日本トラックナショナルチームのムードメーカー、ヘッドコーチのブノワ・べトゥ氏と並び、日本チームの成長の要となるジェイソン・ニブレット氏のパーソナリティへ迫る。
ジェイソン・ニブレット(Jason Niblett)氏プロフィール
1983年、オーストラリア・ホーシャム出身。
2000年、2001年とジュニア世界選手権のチームスプリントで連覇。2010年に日本の競輪へ初参加。2011年の世界選手権ではチームスプリントで銅メダルを獲得。
2012年の引退後、指導者の道へ進みつつ、パラサイクリングのタンデムパイロットとしても活躍。2014年のコモンウェルスゲームズでは2つの銀メダルを獲得している。
2017年からは日本ナショナルチーム短距離アシスタントコーチへ就任。
信頼関係を築く過程も、仕事
ブノワヘッドコーチとよく一緒にいますよね
確実に自分たちの家族よりも時間を過ごしていますね(笑)
日本に来る前からブノワさんのことは知っていたのですか?
もちろん。僕が選手だった時代にブノワの選手たちと戦っていましたからね。僕がコーチになってからも、ブノワがロシアや中国で結果を出してきたことは知っています。
これは僕の勝手な考えですが、僕たちは似ていると思っています。アスリートたちへ全てを注ぐ熱意、覚悟という点です。
中にはトレーニングプログラムだけを作り放置する人もいますが、僕たちはアスリートたちと毎日顔を合わせ、信頼関係を築いていく。その過程も仕事だと思っています。なので、僕たちは毎日選手たちと会って、そして話がしたい。