あくまでメダルを獲ることが目標
勝てると思えなかったロンドンオリンピック
実際にロンドンオリンピックへ初出場してみて、どうでしたか?
正直、ロンドンに行く前から「オリンピックで勝てるんじゃないか」って気持ちは一切なかったです。
でも、やっぱり出るからには「メダルを目指さなきゃいけない」って思ってたし、そう言わなきゃいけない状況もあって「メダルを目指す」とは言ってましたけど、どっちかというと言わされている感じが強くて、その言わされているプレッシャーに負けちゃったかもしれないです。
ただそれよりも問題は自分の実力でしたね。海外でメダルを獲ったことがないのに、オリンピックのシーズンだけいきなりやれるかなんて甘くないですよね。メダルは難しいかもしれないけど、とりあえず頑張るしかないと思いました。
海外に行って競技の練習を自分でやり始めたのは、そこからですか?
そうですね。ロンドンオリンピックへ行った時「何が外国人との差なんだろう?」と聞かれたら、1番は言葉の壁を感じたんですけど、パワーなども全然違うんじゃないかと思いました。日本と海外の選手との大きな差を感じましたね。それで「あと4年じゃこの差は縮まらない。今まで通りにやってたら縮まらない。」と危機感を覚えました。
でも、当時の日本のナショナルチームは、あと4年間ロンドンと同じ体制でいくって発表されてしまったんですよ。僕の中ではオリンピックに出ること事態を目的としていなくて、あくまでメダルを獲ることが目標なので、「これじゃ無理だ」と思い、海外へ行くようになりました。
…後編へ続く
Interview : Mizuki Ida
Edit & Photo : Shutaro Mochizuki