「Make it happen」……~it~を成し遂げる

オリンピック代表応援特設サイトが現在公開中だが、サイト内ではオリンピックへ向けて、それぞれの「it=成し遂げたいこと」について話を伺う。

チームパシュートに出場予定の池田瑞紀。「自転車競技に向いていたわけではない」と自ら語る彼女が掲げる、壮大な想いとは。

池田瑞紀の「it」~希望~

「私が成し遂げたいitは、『希望』です。自転車競技を始めて、とにかく楽しいという気持ちでここまで続けてきました。

楽しいっていうシンプルな想いでも、頑張って続けていれば、オリンピックという舞台にも届くくらいの力になるんだ、という『希望』が皆さんに伝わったら嬉しいです」

——オリンピック開催期間中に20歳の誕生日を迎える池田。若くして最高峰の舞台に辿り着いたこととなるが、本格的に自転車競技を始めたのは中学3年生から。

「小学校の頃、競技用自転車に乗る体験プログラムに参加したのがすごく楽しかったんです。その後はバスケットボールをメインにやっていたのですが、中学3年生の終わりに、『心から楽しいと思える競技』である自転車ならこの先も続けられる、と思って本格的に自転車を始めました」

1位 池田瑞紀 福岡 祐誠, 個人パシュート, 令和3年度全国高等学校選抜自転車競技大会(大分県別府競輪場)

福岡・祐誠高校時代の池田瑞紀

「決して『自転車競技に向いていたから始めた』とか『最初からものすごい才能があった』というわけではないんです。今回オリンピックという舞台に立てることになって、楽しいっていう想いを持って続けることはすごく大事なんだってことをあらためて感じました」

——楽しいから続けてきた自転車。その魅力だけでなく、すべての人へ希望を感じてもらえたらという大きな願いを持ってオリンピックへ挑む。

「もちろん、これだけ楽しい自転車競技をもっと広めたいという想いもあります。でもそれ以上に、たとえば他の競技をやっている方とか、スポーツじゃなくても何かに取り組んでいる方に向けて、『希望』を届けることができたら。もう少し続けてみようとか、明日も頑張ろうとか、そういう希望や勇気を与える……

ゲームの勇者やアニメのヒーローみたいで恥ずかしいですけど、自分の走りでそう感じてもらえたら最高ですね」

パリオリンピックはまだまだ成長の過程。その過程で池田が何を得るのか。自転車を楽しむ姿を体現しながら、世界最高峰の舞台に立つ。