「Make it happen」……~it~を成し遂げる

オリンピック代表応援特設サイトが現在公開中だが、サイト内ではオリンピックへ向けて、それぞれの「it=成し遂げたいこと」について話を伺う。

東京オリンピックはリザーブという立場だった太田りゆが、スプリントとケイリンの2種目で念願の出場を果たす。オリンピック出場という目標を掲げ続けてきた彼女が、夢の舞台で成し遂げたいこととは。

太田りゆの「it」~最高傑作~

「これまでずっと、オリンピックを目標にやってきました。東京オリンピックではリザーブという立場で、メダルを獲りたいという目標を持つことすらできなかったけれど、今回ようやく出場することができる。とにかく『最高傑作』の自分で、オリンピックに臨みたいという気持ちです。

ここまで1人でやってきたわけじゃない。支えてくれた皆さんのためにも、メダルが欲しいって思う気持ちが大きいです。

でも、結果だけにとらわれたくないという思いもあって……結果はもちろん、タイムも、挑む過程も、すべての意味で『最高傑作』としてオリンピックを締めくくれたら最高ですね」

太田りゆ(BGT), Final 1-2, Women Elite Sprint, 2023 Japan Track Cup Ⅱ

——憧れの舞台”オリンピック”。その舞台への強い憧憬は、どのようにして生まれたのか。

「前田佳代乃さん、沖美穂先生、新田祐大さん、脇本雄太さん、小林優香ちゃん……私の周りには、たくさんのオリンピアンが当たり前のようにいました。

皆さんがオリンピックで走っているところを見て、私も同じように出たいと思った。英才教育されたというか、自然とオリンピックに照準を合わせるようになったんです」

——この8月で30歳。肉体的にはキャリア最高潮を迎える時期となる。そしてこの年齢は太田りゆにとって、次のストーリーの開幕でもある。

「選手としての強さは、間違いなく今が自分の最高です。30歳というのはただの数字かもしれないけれど、自分にとっては大きな区切り。このオリンピックは集大成という意味でもピッタリのタイミングだと思います。

でも、オリンピックの舞台に立つことで得られるものがあると思うんです。オリンピックを経て、”太田りゆ”としてパワーアップするはず。それを活かして、その先もいい人生にしていきたいですね」

最高傑作までの期間はおよそあと1ヵ月。その舞台は刻一刻と近づいてきている。