「Make it happen」……~it~を成し遂げる

オリンピック代表応援特設サイトが現在公開中だが、サイト内ではオリンピックへ向けて、それぞれの「it=成し遂げたいこと」について話を伺う。

スプリントとケイリンの2種目に出場する佐藤水菜。東京オリンピック後に一気に台頭し、メダル有力候補にも数えられる彼女が掲げる『it』とは。

佐藤水菜の「it」~ Do my Best -Keep Smiling- ~

「大会でも練習でも、常に自己ベストの自分であり続ける、という信念を持って自転車競技に取り組んでいます。昨日よりも今日、今日よりも明日、もっと良いパフォーマンスを出せるように。

だから、全力を尽くすことは大前提として、なおかつ楽しく走り切りたい。そういう想いから、『Do my Best〜Keep Smiling〜』としました」

——信念の後ろに添えられた『Keep Smiling』という言葉には、過去の苦い経験と、近年の目覚ましい活躍の秘訣が隠れている。

「ナショナルチームに加わって、初めて『世界選手権』に出場した2021年のフランス・ルーべ大会では、緊張に押しつぶされて泣いていました。自分のなかでいろいろなものが限界を超えて、感情をコントロールできなくなってしまった。

Women's Keirin Final 1-6 / 2021 Track Cycling World Championships, Roubaix, SATO Mina(JPN)佐藤水菜

2021年、初めての世界選手権 それでも銀メダルをケイリンで獲得

でも最近は、自信を持って走れるようになったんです。余裕が生まれて、自然と笑顔で楽しめるようになった。笑顔でいられるときは、レース中もすごく視野が広いのが自分でもわかるんです。視野が広い状態でレースに臨めれば、自然と良い結果につながる。それがさらに自信を深めることにつながって……すごく良い状態を作れるんです。だからこそ、笑顔でいることを大切にしたい」

佐藤水菜, 女子ケイリン決勝 1-6, WOMEN'S Keirin Final 1-6, 2023トラックネーションズカップ ジャカルタ, 2023 TRACK NATIONS CUP Jakarta, Indonesia

初のネーションズカップ金メダル(2023第1戦)ではスマイル爆発

——5月に開催された『ジャパントラックカップ』では200mフライングタイムトライアルで2日連続日本記録を更新するなど、『常に自己ベスト』は、すでに体現しているといえる。だからこそ、力強く言い切った。

「自分のベストを尽くして、楽しく走り切ることができれば、良い結果がついてくると思います」

アジア選手権、アジア大会、ネーションズカップを制してきた佐藤。残すは世界選手権とオリンピックのみ。笑顔を絶やさず自己ベストで世界最高峰の舞台に挑む。