さらに下がった!?サドル下げ連盟
Q:以前は守澤太志選手と同じくサドルの前を下げていましたが、今も続けていますよね?
はい、しっくりきています。というか、前よりもっと下がっています。
オールスター(8月)ぐらいに一気に下げて、玉野記念(11月)くらいで試したい踏み方があったので少し戻して……でもうまくいかなかったのでまた夏くらいに戻しました。そのくらいがしっくりきてます。
Q:真似する選手が増えるかもしれませんね。
いや……できないんじゃないですかね?やり方をしっかり学べばできると思います。ヨシタク(吉田拓矢)も始めましたね。それでオールスターの決勝に乗るくらいの結果を出しましたし、良いは良いんだと思います。
直近4ヶ月、3連対率65%
Q:直近4ヶ月のデータを見ると、3連対率65%(3着以内に入る確率が65%)です。ご自身としてはどのように評価しますか?
半分以上ってことですよね。まあわりかしやっている方だと思います。思えばたくさん走りましたね……ナショナルチームから抜けてから、家にいる時間が減りました。ナショナルの時も練習には出てたけど、夜には家に帰っていた。今はそうはいかないですから。
Q:斡旋はだいたい月に2~3回くらいでしょうか?
普段は2回なんですが、たまに追加で斡旋をいただいたり、地区プロが重なったりもします。また記念開催などだと5日ほど家を空けることになるので、まあまあ家にいないですね。
先行といえば、新山
Q:最近「先行といえば?」という話を聞くと、かなりの確率で新山選手の名前が出てきます。
そうですか?ありがたいです。先行にはこだわって選手をやってきましたし、勝率が良いのも先行です。今のところ先行に頼っていますね。
みんな知っていることだとは思いますが、やっぱり横は苦手。うまくいった試しがないです。落車のリスクもありますし、縦を張るうちは横にこだわる必要はないと思っていますけれど……
Q:今、これまでの自身の競輪人生の中で「最高に強い」と思いますか?
今は戦法がバレてきているというか……「新山が前を取ったらコレだ」みたいになってしまっているので、今というよりはこの戦法をやり始めた頃、4月5月くらいは「一気に変わったな」と感じました。
今まで途中で燃料切れになってたのが、最後まで行けるようになったみたいな。出せるスピードも違いました。筋肉量というよりは乗り方の違いだと思いますけれど。
Q:それは経験からくるものでしょうか?
意識そのものを変えた感じです。今までも強い人たちの乗り方を見て、自分なりに研究していました。でも僕がその人に寄せようとしても、周りから見たら全然同じには見えない。人に見てもらって、教えてもらうことで意識が変わってきました。
言ってしまえば省エネです。いくら筋肉を鍛えても、1年でもがける距離が1m増えるとか、それくらいです。そうじゃなくて、鍛えた筋肉をよりうまく使うことを考えています。そうすれば1mじゃなくて10m伸びる可能性があります。
踏み出すまではすごく嫌
Q:前を走っていて、後ろの走りはわかりますか?
後ろを何回も見るというわけじゃないです。自分が仕掛けると決めてペースを決めたら、せいぜい1車後ろを見るくらい。でも自分のペース配分でいけば大抵は辛いと思うので、そちらに集中しています。
Q:新山選手はパッと見でわかりやすいフォームだし、空力も考えられたフォームだと思います。
あれが一番今の戦法に適していると思います。エアロも大事だと思います。空力を考えてシューズカバーを変えたりしましたし……可能な限り、できるだけ楽して勝ちたいです。
レースは走り始めてしまえば、後はやるだけなのですが、そこに踏み出すまではすごく嫌(笑)1kmTTみたいなものですね。「あ〜◯日後に1kmTT走るんだ……」と思うけれど、いざ始まってしまえば全力で走ります。一緒ですね。
Q:毎回そんな感じなんですか?
そうですね。残り2周なら800mくらいだし、助走ありの状態だから1kmTTよりずっと楽ですけれど(笑)
Q:残り2周の800mを全力でもがくとして、その前の周回中の体力消耗ってどんなものなんでしょう?
体力を使わないことはないです。だからそっちの練習もする必要があります。いかに周回を楽に回り、脚を残すか。この辺りはあまり気にしてない人が多そうですね。
KEIRINグランプリ2023
Q:今回のKEIRINグランプリ2023、北日本は佐藤慎太郎選手と新山選手の2車です。順当に考えれば新山選手が前だろうな、という感じですが……
話し合うまでもないですからね。深谷さんの後ろ、眞杉の後ろに分かれてみるのも面白いかもしれませんが(笑)深谷さんのダッシュだと俺は千切れちゃうし、眞杉の後ろかな。
Q:自分が前とはならない?
緊張するじゃないですか、眞杉なんか連れたら(笑)まあ、これはまずない話ですけどね。
Q:はい(笑)改めて、2回目のグランプリは楽しみですか?
楽しみじゃないですね。去年は自分の役割がある程度はっきりしていたのでまた違いましたが、今回は楽しみというより「本当に1億円が欲しい」です。どんな流れだとしても1億円を獲るようなレースにはしたいですね。
本当に1億円欲しいっ!
Q:それは年間の獲得賞金合計を1億にしたい、ではなく……
優勝の1億3700万円欲しいです。源泉徴収引かれて選手会費引かれて……1億円くらいは残りますよね?正真正銘の1億円が欲しいです。
でもそればかり考えているとレースが小さくなるから、いつものスタイルを大事に、です。でもそのまま行って裏をかくじゃないですけど……裏の裏の裏くらい。みんな考えてることは一緒ですね。
Q:去年は松浦選手が周回中に北日本に割って入りましたが、あの時はどう思いました?
やってきた時の対策も、一応みんなで話してたんです。でも思ったより早く来て、どうしようかなってなりました。頭が回りきらなかったです。去年は特に「何がなんでも、残り半周までは先頭で」という意識だったので。今年は落ち着いてやれると思います。
Q:みんなそれぞれ作戦を考える中、そこに確実に新山選手の「突っ張り先行」が考慮されている。それもまたすごいことですよね。
単騎勢、それも追い込みではない単騎勢が多いので、全体的に仕掛けは遅くなるのではないでしょうか?逆にペースが上がれば単騎勢が湯有利ですよね。脇本さんはいつも通りだと思います。今年は難しいですが、一発、狙います。