世界最高峰の舞台「オリンピック」。その前哨戦となった『世界選手権トラック2023 グラスゴー大会』が8月9日に終幕した。

表彰台にて

この大舞台で世界選手権に初出場し、初のメダル獲得という偉業を果たしたのは中野慎詞。最終日に実施された男子ケイリンにて銅メダルを獲得し、2018年に河端朋之がスタートさせたメダル街道を延長させる結果を残した。

「疲れた~!」初出場の中野慎詞が銅メダル獲得 男子ケイリン/2023世界選手権・グラスゴー大会

帰国後はすぐに『オールスター競輪(G1)』に参加と慌ただしい日々を送っていたが、今回改めて、世界選手権についての話を伺う。

「DM全部返信した」マメな中野

Q:世界選手権男子ケイリン銅メダル獲得、おめでとうございました。実家に帰って〜とか、ありましたか?

まだ実家には帰れてないんです、すぐ『オールスター競輪(G1)』だったので。でも『アジア競技大会』が終わったら帰省をする予定です。

Q:初出場で自身初のメダル獲得後、LINEの通知がスゴかったとかはありましたか?

InstagramのDMとか、すごく来てましたね。返信にめちゃめちゃ時間がかかりました。疲れてスマホをいじるのも大変だったのですが、たくさんメッセージをいただいているし、適当に返信したくはなかったし。ゆっくりゆっくり返信して、次の日までには返信し終われましたよ。

Q:えっ???ちなみにどれくらいの件数を?

どうだろう……3ケタはあった気がしますね。

ネーションズカップで金メダルを獲った時もメッセージはもらっていましたが、今回の方が多かったです。やっぱりネーションズカップは「どんな大会だろう?」と思われがちなんでしょうね。世界選手権の注目度を実感しました。

初の世界選手権、初のレース

Q:改めてレースの話をお聞かせください。今回2日間に分かれてケイリンが実施されましたが、まず1回戦は緊張しましたか?

めちゃくちゃ緊張しました!初戦からハリー・ラブレイセン(オランダ)とかミカイル・ヤコフレフ(イスラエル)がいました。ここでミスったら敗者復活戦に行かなきゃいけない。でももちろん一発で終わらせたい……初めての世界選手権で最初のレースだったので、やっぱり緊張しましたね。

ミカイル・ヤコフレフ

Q:その時の感情のコントロールはどのようにしていたんでしょう?

「やるしかねえな」って感じでした。めちゃくちゃ緊張してましたけど、緊張の仕方がネーションズカップとは違ってたんです。

ネーションズカップでは「ここでメダルを獲らないと、俺のパリ五輪への道は終わる」という状態でした。でも世界選手権は「この国内選考における重要度の高い大会に、まず出場できた。来たからには、やるしかねえな」と思っていました。

ここで成績を残せば、誰にも文句を言われません。逆に成績を残せずに、来シーズン(2024)のネーションズカップまで選考持ち越しは嫌だなと思っていました。2023シーズンの最終戦でもありましたし、頑張ろうという気持ちがありました。

実は、血を抜かれた後だった

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