メダル4枚を獲得した2023年のネーションズカップに続き、全日本選手権では自身が出場した3種目全てで優勝を果たした男子短距離の太田海也。2023アジア選手権トラックを直前に控えた今、何を感じているのか。全日本選手権の振り返りや、アジア選手権に向けた意気込みについて伺った。

2023年シーズンの成績

開催月 大会名(開催地) 成績
1月 ケンブリッジGP(クラス1)
(ニュージーランド・ケンブリッジ)
スプリント1位
ケイリン1位
2月 ネーションズカップ第1戦
(インドネシア・ジャカルタ)
スプリント2位
チームスプリント4位(日本新記録)
3月 ネーションズカップ第2戦
(エジプト・カイロ)
ケイリン3位
スプリント3位
チームスプリント3位
5月 全日本選手権トラック
(伊豆ベロドローム)
スプリント1位
ケイリン1位
チームスプリント1位

「こんなにしんどい事は他にないでしょ!」

Q:『2023全日本選手権トラック』から2週間ほどです。最近充実していますか?

大会を終えて、すぐに練習が始まりました。家に帰っても喋れないし、テレビも見る気になれないみたいな。足も全然上がらないし、全日本選手権後の1週間は本当に絶望期でした。チームメイトには知られていることですが、ものすごく体がキツくて、スタートで涙が出るくらいしんどかったです。本当に苦しい絶望の期間でしたが、やっと回復してきました(笑)

自転車競技を初めて1番キツかった期間だったと思います。

今は回復してきて、自分の体にエネルギーが入ってきている感覚がありますので、現状は最高です(笑)

Q:ハードな練習後ですが、爽やかですね(※練習後にインタビューを実施)。

グループでやる練習では、あまりぐったりしません。逆に週末に1人で750mをもがく練習をする時は、本当に練習の中で一番しんどいです。いつも死んでいます。

Q:ヘルメット搭載カメラなどで、一度密着してどれだけハードなのかを見てみたいですね。

僕と小原さん、寺崎さんに密着いただければ、どれだけハードなのか伝わると思います。

沖縄合宿で密着してほしいなぁ〜。最終日でみんながどれだけリバースしているか見てほしいです(笑)

ムキムキの祭典・中長距離ヘッドコーチの入れ替わり そしてネーションズカップへ/2023ナショナルチーム沖縄合宿

Q:見る分には興味深いですが、本人からしたら全然楽しくないですよね?

でも本人たちも見られてなんぼなので。こんなにしんどい事は人生では無いと思うので、見てほしいと僕は思っています。何かに記録していただいて10年後とかに見返した時、「自分はこんなに頑張っていたんだな」と思いたいので(笑)

「こんなにしんどい事は他にないでしょ!」って毎回思っています。

太田海也, 沖縄合宿2023

Q:沖縄合宿では毎週そんな経験をしているんですね。

1週目が一番キツくて。2,3週目に少し楽になって、4週目ぐらいで疲労が溜まってというイメージです。まあ結局1ヶ月キツいです……

自身初の個人タイトル

太田海也, Team Rakuten K Dreams, 男子エリート, ケイリン, 1-6決勝, 2023全日本選手権トラック, 伊豆ベロドローム

Q:『2023全日本選手権トラック』では3冠を達成しました。個人タイトルは初めてでしたよね?

1月のニュージーランドでは優勝することができましたが、全日本では個人・団体含めて初めての金メダルでした。

2022年大会では、「全日本は(UCIポイント的に)あまり重要な大会ではない」と聞いて、正直あまり気合を入れずに出場して負けてしまいました。でも大会後に信じられないぐらい悔しい思いに駆られて……「気合を入れていなかったから」と自分に言い訳して、そうしてしまう自分にももとても悔しく感じました。

それからは「どんな大会でも負け癖をつけてはいけない」、「次の全日本では大会がどんなタイミングでも優勝する」と思いながら練習してきました。

なので今回勝てて、めっちゃ嬉しかったです!

スプリントでのアクシンデント、その真相は?

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