ボート競技から転身し、好成績によって早期卒業で競輪選手デビューした太田海也。2021年1月の競輪選手デビューと同時期にトラック競技でもナショナルチーム入りし、初のシーズンで世界選手権へ。チームスプリントとスプリントに出場した。

初めての世界選手権でどのようなことを感じ、糧とし、次につなげていくのか。初シーズンの総括を伺った。

太田海也 世界選手権成績

チームスプリント:順位なし(非公式タイム:43秒135)
スプリント:10位 ※自己ベスト更新(9秒531)

長くて非日常なフランスでの生活

Q:初めての世界選手権。今回は事前合宿から大会期間と、およそ3週間の長期滞在でした。どうでしたか?

「長かった」です。楽しかったなとも思います。

普段経験しない「あと何週間後に大きなレースがある」という緊張感の中、「今すぐにでもレースして終わらせてしまいたい」という気持ちと「大会に向けて体調を上げていかなければいけない」という意識の両方がありました。

「ものすごい大きな大会を控えている」という緊張感も非日常的でしたし、海外というのも非日常。経験したことのないことばかりだったので、楽しかったと感じます。

Q:そこでプレッシャーに潰されるではなく、「楽しい」になるんですね。

プレッシャーもありました。「逃げ出して帰りたい」と思うような毎日でしたけど、「こんな経験、他の人はできないんだろうな」と思うとありがたいし楽しいなと思いました。

Q:事前合宿はどのくらいの期間でしたっけ?

2週間ルーベにいて、その後大会のためにパリに移動しました。あまり街並みを探索できたわけじゃないんですけど、やっぱりパリの方が都会的な雰囲気でしたね。

Q:何か覚えたフランス語はありましたか?

いたときは少し覚えてたんですが、もう忘れちゃいました(笑)Merci(ありがとう)くらいですね。英語だってままならないし、ジェスチャーでどうにかしていました。

大観衆の世界選手権

Q:世界選手権の雰囲気はどうでしたか?

お客さんの人数が明らかに違いましたね。でも全員外国人なので「みんな他人だな……」と思ってあまり緊張はしませんでした。フランスの方が人数は多いですけど、日本の方が「自分を認識されてる」割合が高いので緊張します。その点は逆に良かったかなと感じます。

Q:盛り上がりもすごかったですね。歓声に気がそがれたりとかは?

歓声の大きさはあまりわかってなかった気がします。集中してたのかも。大会中はいろんなことを頭で考えていますが、それは自分の内部で起こっていますし、周りはあまり見えていない感じだと思います。

幻となったチームスプリント

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