11月4日から8日にかけて、サウジアラビア・リヤドにて開催された『2025アーバンサイクリング世界選手権』。
「パーク」と「フラットランド」の両種目が実施され、フラットランドでは男女ともに日本選手が金メダルを獲得。特に女子フラットランドでは、日本勢が表彰台を独占する活躍を見せた。
JCFの公式リリースをもとにお伝えしていく。
フラットランド
男子エリート
日本チャンピオンとして臨んだ片桐悠。
予選を首位で通過すると、決勝でも自身のシグネチャートリックである「フルバイクフリップ」と「舞空術」を組み合わせた高難易度コンボを、極めて精度の高いコントロールで成功させ、圧巻のライディングで世界の頂点に立った。
ワールドカップでの優勝経験を有する片桐が、ついに世界の舞台で初の金メダルを掴み取った。
| 選手名 | 国 | ポイント(決勝) | ||
| 1位 | 片桐悠 | 日本 | 91.00 | |
| 2位 | ジーン・ウィリアム・プレボー | JEAN WILLIAM PREVOST | カナダ | 89.33 |
| 3位 | ダスティン・アルト | DUSTYN ALT | ドイツ | 86.00 |
片桐悠 コメント
去年は5位という悔しい結果で終わったのもあって今回優勝できたのは、自分にとってリベンジでもあったのですごく嬉しいです。日本代表として、今大会の代表選手として選出されなかった選手の気持ちも背負って挑み、絶対に負けられないし、今回こそは優勝して帰りたいっていう気持ちが強かったです。
女子エリート
それぞれ個性を生かしたライディングが披露された決勝の舞台で、圧倒的な存在感を放ったのが戸高千翠。
細かなバイクセッティング調整を重ね、コンディションを万全に整え臨んだ戸高は、難易度の高いコンビネーショントリックを流れるように繋げ、堂々の世界チャンピオンに輝いた。
2位には本村果鈴、3位には吉村想花が入り、日本チームが昨年に続きチャンピオン獲得。そして表彰台を独占するという快挙を達成した。
| 選手名 | 国 | ポイント(決勝) | ||
| 1位 | 戸高千翠 | 日本 | 87.17 | |
| 2位 | 本村果鈴 | 日本 | 78.67 | |
| 3位 | 吉村想花 | 日本 | 76.67 |
戸高千翠 コメント
今回の世界選手権では1番決めたかった技を決めて、優勝することができてとても嬉しいです。これからも、もっともっと会場を盛り上げられるように、たくさんの凄いトリックを練習して大会で決められるように頑張りたいです。応援ありがとうございました。
パーク
男子エリート
中村輪夢が予選・準決勝1位で決勝へ進出し、2022年以来となる世界タイトル獲得を懸けて挑んだ決勝。
暫定4位で迎えた2本目、最初のビッグトリックにコンビネーションを加えたバックフリップを投入し、技の難易度を上げたが、オーバーローテーションとなり転倒。惜しくも0.26ポイント及ばず表彰台を逃す結果となった。
| 選手名 | 国 | ポイント(決勝) | ||
| 1位 | アントニー・ジャンジャン | ANTHONY JEANJEAN | フランス | 94.44 |
| 2位 | マーカス・クリストファー | MARCUS CHRISTOPHER | アメリカ | 94.02 |
| 3位 | ローガン・マーティン | LOGAN MARTIN | オーストラリア | 91.68 |
| 4位 | 中村輪夢 | 日本 | 91.42 | |
| 28位 | 小澤楓 | 日本 | ||
| 47位 | 松本翔海 | 日本 |
女子エリート
小澤美晴が予選を3位で通過し、堂々の決勝進出。
1本目を終え3位について迎えた2本目、直前に出走したファン・シャオトン(中国)が小澤の得点を上回り3位に浮上。
プレッシャーのかかる中で迎えた最終ランでは、得意のビッグトリックを成功させ、1本目を上回るスコアを記録したが、惜しくも及ばず4位に。それでも、昨年初挑戦した世界選手権から大きく飛躍し、パリオリンピックのメダリストを複数抑える好成績を収めた。
| 選手名 | 国 | ポイント(決勝) | ||
| 1位 | サン・スーベイ | SIBEI SUN | 中国 | 95.86 |
| 2位 | サン・ジャーチ | JIAQI SUN | 中国 | 93.08 |
| 3位 | ファン・シャオトン | XIAOTONG FAN | 中国 | 92.10 |
| 4位 | ⼩澤美晴 | 日本 | 89.38 | |
| 13位 | 吉⽥実央 | 日本 |
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若干15歳にして世界一 ⼾髙千翠とは?
女子フラットランドでアルカンシェルを手にした⼾髙千翠(とだか・ちあき)は、2010年9月22日生まれの15歳。小学校4年でBMXを始めると、2024年には『全日本BMX選手権』フラットランド ガールズハイクラス(15歳以下)のカテゴリで日本タイトルを手にするなど活躍。
エリートクラスへ進んだ今年は、9月の『アジアBMXフリースタイル選手権』、10月の『全日本BMXフリースタイル選手権』でともに金メダルを獲得。その勢いは世界選手権の舞台でも消えず、見事に世界一の座を手にすることとなった。
なお、妹の杏彩、弟の大翔もともに、フラットランドの選手として活動。数々の大会でタイトルを獲得している。
ワールドカップ第3戦が茨城で開催
世界の舞台で、鮮烈な活躍を見せた日本選手たち。11月26日~30日にかけては、茨城県境町にて『UCI BMXフリースタイルワールドカップ 第3戦』が開かれる予定だ。
この大会は、『IBARAKI SAKAI Urban Sports Fes.』として、ローラーフリースタイルやスクータリング(競技用キックボード)、ブレイキンなどさまざまなアーバンスポーツ世界大会も同時開催される。
ぜひ現地で、凱旋する日本選手たちへの声援を挙げていただきたい。
IBARAKI SAKAI Urban Sports Fes. | 公式サイト









