男子代表候補:中村輪夢

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ここからは中村輪夢選手と出口智嗣ヘッドコーチを交えた記者会見でのコメントを紹介していく。

最終的にはメンタル

出口智嗣ヘッドコーチ、中村輪夢

中村:東京オリンピックで悔しい思いをしたので、終わった時から「パリが次の目標」と思っていました。出場が決まって嬉しいですが、ここがゴールではありません。今回こそ良い結果を持って帰れたらと思います。

出口智嗣ヘッドコーチ

出口:BMXフリースタイルで2大会連続出場は、輪夢を含めて3人だけ。とても価値のあることだなと思っています。パリを目指した日本のライダーたちにとって輪夢はお兄ちゃんで、すごく良い刺激を与える存在。彼らの分も、パリで望む結果を出してほしいと思います。

Q:東京オリンピックからここまでを振り返っていかがでしょうか。

中村輪夢

中村:東京からここまでで、メンタルや技術、いろんなものが成長したと思います。まあ成長しなくちゃダメなんですけど(笑)
BMXって技とか色々やるけど、最終的にはメンタルが大事な種目だと思っています。

出口:輪夢はみんなに平等に接する人で、ムードメーカーでもある。緊張してる時に勝手にはっちゃけたりしてたんですが、最近はすごく良い顔に変わったなと感じます。素直に笑顔を出して「行ってきます」と言うような感じ。それが彼の言うメンタルの部分なんだなと思うし、ここまでの努力で出来上がってきてるなと感じますね。

HUMAN MADEとオフィシャルサプライヤー契約

Q:ちょうど本日、HUMAN MADEとのオフィシャルサプライヤー契約が発表されました。今日も紺を基調としたHUMAN MADEのウェアを着ていらっしゃいます。

「競技服としての固定概念を壊し、機能先行ではなく選手自身が本当にかっこいいと思うスタイルで、モチベーション高く競技に望めるようにしたい。そしてファッションを含めた選手の個性を通じ、新しいカルチャーを発信することこそがBMXフリースタイルがスポーツとして目指すことである」という競技に対する姿勢と理念に共感し、この度、HUMAN MADE株式会社はウエアのサポートを決定しました。同じくストリートにルーツを持ち、新たなカルチャーを生む起爆剤となることを目指すHUMAN MADEとして、日本代表チームをサポートしていきます。

プレスリリース「HUMAN MADEがBMXフリースタイル日本代表チームをサポート」より

中村:HUMAN MADEとBMXは「ストリート」という部分で繋がりがあります。素材や着心地もそうですが、「ストリートの気持ち」という部分で着ていてテンションが上がりますね。色もバリエーションがあって、その辺りも楽しみになっています。

出口:さまざまなウェアブランドからオファーがあったんですが、スポーツブランドよりは、ストリートカルチャーのブランドとやるのが筋として「合ってる」のかなと思います。世界中のBMXが「スポーツに飲み込まれている」という変化に直面しており、僕自身も飲み込めきれていない部分がある。そういう局面だからこそ、BMXはBMXと同じカルチャーのある企業に支えていただくのが良いかなと感じています。

ウェアデザインを作っていただいて、ライダーたちも「すごくテンション上がるっす〜!」って反応(笑)間違ってなかったなと感じます。

日本、そして地元京都を背負う

Q:バイクとヘルメットについてもご紹介をお願いします。

中村:この自転車は、実はまだ乗り出して3、4日くらい。前回の東京の時も同じカラーリングで組みましたが、今回も「日本を背負う」ということで白赤で組みました。ヘルメットは以前から使っているのと同じデザインですが、京都をイメージさせるデザインにしています。

京都生まれ京都育ちで、京都が大好き。日本もそうですが、京都を背負う気持ちも持ってかましていきたいと思います。

コンコルド広場で開催

Q:大会はパリ・コンコルド広場で行われます。本番に向けての意気込みを聞かせてください。

中村:BMXをかっこいいと思っていますし、もっとたくさんの人にやってもらいたいと思っています。「僕が東京で勝っていれば、多くの人に知ってもらえていたかもしれない」という点で責任は感じています。東京オリンピックで新技を出したいと思ってたんですが、それを出せずに終わってしまいました。

今回も新技を、「世界の誰もやっていない、自分にしかできない技」をコンコルド広場で出したいと思っています。縦回転の技と横回転の技をひとつずつ考えてはいるんですが、コースがまだ発表されてないから……(笑)「なかったらどうしよう」ですが、あると信じて練習しています。

東京の際は無観客開催。でも自分は盛り上がっている方が、逆に緊張しないタイプです。BMXというエンターテイメントで盛り上げていきたいですし、盛り上げた方がジャッジ面でも良い。パリのお客さんを盛り上げたいなと思います。

アントニー・ジャンジャン(Anthony Jeanjean/フランス)なんかは最近よく勝ってますし、今回は彼のホーム。ここで倒したらヒーローになれるんじゃないかなと思ってます。

アントニー・ジャンジャン

もちろん結果は大事ですが、まずは自分のことに集中。自分の1分間を走り切るということが一番です。ベストを走りきれば結果はついてくると信じています。

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